兵庫県淡路市の「世界平和大観音像」(高さ約100メートル)。所有者が亡くなってから、しばらく放置されていたが、財務省近畿財務局がこのほど、2022年度までに解体撤去すると発表した。

大観音像は1982年、地元出身の実業家の男性が建立したが、男性は1988年に亡くなり、相続人も2006年に死亡していた。淡路市によると、モルタルが剥がれ落ちるなど荒廃がすすみ、住民から不安の声があがっていた。

民法のルールで国庫に帰属した

民法のルールでは、所有者が明らかでない場合、次のような手続きがとられることになっている。

(1)利害関係人などからの申し立てによって、家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任する

(2)相続人がいない場合は、一定の手続きを経たあと、金銭や不動産などの残余財産が国庫に帰属する

近畿財務局によると、大阪地裁が2011年、相続財産管理人弁護士)を選任して、2018年に相続人がいないことが確定した。

そして、このほど清算手続きが終了したので、ことし3月30日付で、大観音像(十重の塔、山門含む)は国庫に帰属することになった(民法959条)。

不法侵入で飛び降り自殺も

大観音像はかつて淡路島ランドマークだった。週刊ダイヤモンド2009年9月12日)によると、1日で数千人が訪れる観光名所だったそうだ。

しかし、2006年に相続人が亡くなり、閉鎖・放置されてからは一気に建物の劣化が激しくなったとされる。

しかも、勝手に入れるような状態だったようだ。神戸新聞によると、2020年2月、観音像の展望台から男性が飛び降りて亡くなるという事件も起きている。

近畿財務局は、住民の不安を解消するため、十重の塔と山門は今年度中に、大観音像は2021年度から2年かけて解体撤去工事をすすめるとしている。

淡路島のランドマーク「大観音像」が激しく荒廃…民法に基づいて「国庫帰属」、解体へ