日本を代表するコメディアン・志村けんさんが3月29日夜、新型コロナウイルスによる肺炎のため死去した。志村さんが“園長”を務め2004年から16年にわたり放送されてきたのが、動物バラエティー「天才!志村どうぶつ園」(日本テレビ系)。園長みずからチンパンジーのパンくんや捨て犬ちびと触れ合う姿が笑いと感動を呼び、お茶の間に愛されてきた。
【写真を見る】4月4日放送「天才!志村どうぶつ園」は志村園長をしのぶ“特別編”を放送する
4月4日(土)に放送される「天才!志村どうぶつ園 特別編」(夜7:00-8:54、日本テレビ系) は、相葉雅紀、山瀬まみ、タカアンドトシ、ハリセンボン、DAIGO、滝沢カレンら“志村どうぶつ園メンバー”が出演。
志村さんをしのび、思い出を語るとともに、志村さんが動物たちを愛し続けた16年の全映像の中から名場面を振り返る。“捨て犬ちび”と行った東京・東村山への散歩ロケの様子など、愛犬家としての志村さんの姿も放送される予定だ。
■ 2019年、番組15周年で誌面に登場
昨年4月発売の「週刊ザテレビジョン」15号では、当時15周年を迎えた「―志村どうぶつ園」を特集し、番組スタート当時からタッグを組む園長・志村さんと秘書・山瀬まみ、飼育係・相葉雅紀の3人による鼎談インタビューを掲載した。
志村さんの言葉に込められていたのは、共演メンバーへの深い愛情、そして、動物たちへの慈しみの眼差しだ。
インタビューの中で、「本当に、(動物は)予想以上のことやってくれるよな」「パンくん、最高の間なんだよなぁ。あれを自然にやってるんだもんな」と、笑顔でしみじみ口にした志村さん。その言葉からは、お茶の間に笑いや感動を届ける“共演者”として動物たちに敬意を持って接する姿が浮かび上がる。
志村さんをしのび、ここに当時(2019年4月)の記事を再掲する。
■ 祝!「天才!志村どうぶつ園」15周年!!アニバーサリートーク
2004年にスタートした動物バラエティー「天才!志村どうぶつ園」が15周年を迎えた。この番組ならではの魅力を、園長・志村けん、秘書・山瀬まみ、飼育係・相葉雅紀が振り返る!
志村けん「まず、チームワークは相当なものですね。何も言わなくてもお互いに分かるという感じで、今、これを欲しがってるなってことが、言わなくても分かってるんですよ」
相葉雅紀「皆さんに、絶対的な信頼感がありますね」
山瀬まみ「ホントそう。誰かが助けてくれるっていうね(笑)」
相葉「そう。どんな展開になっても、志村さんが最後は拾ってくださる…それは15年一緒にやってきた、あうんの呼吸だなと。それはもちろん山瀬さんもそうですし。山瀬さんも、何を投げ掛けても、きっちり返してくださるから本当に安心できます」
志村「(園長)秘書歴長いもんねぇ」
山瀬「はい(笑)。ず~っと秘書として頑張らせていただいてます」
相葉「山瀬さんがケガをされて、休まれていた時期に痛烈に感じました。山瀬さんの存在、大きすぎるって!」
志村「ホントそうね。進行のすべてはまみちゃんにかかってる!」
相葉「早く帰ってきてくれ〜って」
志村「代わりに相葉くんが進行やって、『これをいつもやってたのか』って、ビックリしてたもん(笑)」
山瀬「復帰一発目、相葉くん、山瀬さーん!って飛んできたね(笑)」
■ 「志村さんから動物を惹きつける何かが出てる」
動物たちを含めた最高のチームワークがもたらす幸福と安心がそこに。そして動物の特性を尊重する優しさもこの番組全体を温かくしている。
志村「あえてそうしようとしなくても、その空気感が出てるような気がするね。自然とそうできるっていうのが一番ですよ。それに動物は…しゃべりませんからね(笑)」
山瀬「でも、志村さんはさすが園長と言うか、動物に一番好かれますよね。みんなは、志村さんから何かが出てるって言うんだけど…」
志村「何かが出てるって…。老人が何漏らしてるんだって(笑)」
山瀬「動物を引き付ける何かが出てるんですよ、きっと。相葉くんには間違いなく…行かない(笑)」
志村「うまい具合にね~(笑)」
山瀬「動物界ですでに、打ち合わせが行われてるのかってぐらい」
相葉「奇跡的に、僕のところには来なくて園長に行きますよね」
志村「動物たちは台本は読めないけど、(その場の)空気を読んでるね」
相葉「あっち(相葉)に行っちゃいけないんだなって(笑)」
志村「こっちの方が、みんなが喜ぶぞ!って分かってるんだよ」
相葉「そういう意味でも、動物たち含め、みんなに僕は助けられて、15年やってこられました。志村さん、山瀬さんが拾ってくれて、動物たちが落としてくれるっていう」
志村「動物っていうのは本当に、予想以上のことやってくれるよな」
相葉「やってくれますね。それは志村さんとパンくんのときから思ってました。まるで、コントを見ているようでした。志村さんとパンくんの間合いはホントにすごい!」
志村「パンくん、最高の間なんだよなぁ。あれを自然にやってるんだもんな。でも、実は僕は猛獣が苦手なんだよね(笑)。ヘビとカエルも苦手でね。相葉くんは運動神経がいいから猛獣もいけるよね。運動神経よくないとサイとか乗れないもん」
相葉「いやいや。でもサイは本来乗るような動物じゃないです(笑)」
志村「乗る動物じゃないよな(笑)」
相葉「いろんな動物に追い掛けられもしましたよ。チーターとかね。チーターは自転車で追い掛けもしましたけど(笑)」
■ 「気がついたら、相葉くんが僕の膝枕で…」
山瀬「相葉くんと動物と言えば、私はまず思い浮かんじゃうのは(カンガルーの)ハッチかなぁ」
相葉「ハッチねぇ。戦いましたね~。あと、お二人が好きだって言ってくださったのは、イルカジャンプで、僕が顔面から落ちたやつ(笑)」
志村&山瀬 (大爆笑)
山瀬「あれ、大好き!」
水中から真上に向かってイルカに足を押してもらい、空中にジャンプする曲芸に挑戦したが、相葉は着水に失敗して、プールに顔面から落ちてしまった('08年12月27日放送)。
志村「あれ、面白くてさ。何回、そのシーンを放送したか(笑)」
山瀬「トラに背中をつかまれて、服の背中がビリビリになったり(笑)」
相葉「こうして振り返ると、僕、イモト(アヤコ)さんに負けてないですよね。やり始める時代がちょっと早すぎちゃったかな~(笑)」
志村「相葉くんの名場面、多すぎるよ(笑)。どんな動物と対面しても、何かが必ず起きるから」
相葉「起きてます(笑)」
志村「ワニの清掃してるときに、係の人が逃げちゃったりさ~」
相葉「ありました、ありました(笑)。海外ですね。特に海外では何か必ず起きるんですよ!」
志村「でもさ、相葉くんとの15年で一番覚えてるのは、この番組が始まるとき。顔合わせの後、みんなで軽く飲みましょうってね」
相葉「はい…」
志村「気付いたら、相葉くんが僕の膝枕で寝てたんだよなぁ(笑)」
山瀬「アハハハ(笑)。かわいい」
志村「これを超えるのないよ(笑)」
相葉「まだ21歳でお酒にも慣れてないし、緊張してたんですよ。あれで『この番組クビになった…』って思いました。…あ、きっと僕、そのとき、すでに最高の猛獣を知ってしまったんですよ。志村さん以上の猛獣には、その後会っていません(笑)」
3時間スペシャル(※2019年に放送された『天才!志村どうぶつ園 祝!15周年!!3時間SP』。情報は当時)では、志村も大緊張の相手と共演!
志村「(ビート)たけしさんと犬の散歩に行きましてね。久しぶりにたけしさんと仕事して緊張しましたね」
相葉「志村さんが緊張してる姿って見たことないです」
志村「年上だし先輩ですからね!そりゃ~緊張しますよ(笑)」
山瀬「相葉くんは海外ロケだね」
相葉「はい!フィリピンに行って、猛獣ロケしてきます」
志村「また何か起こりそうだね(笑)」
相葉「頑張ってきま~す(笑)」
※以上、「週刊ザテレビジョン」2019年15号記事より再掲(取材・文=堀江純子)
番組は、今後も「天才!志村どうぶつ園」のタイトル、同じメンバーで継続する。“園長”の席は当面空位となる見通しだ。(ザテレビジョン)
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