4月は1人暮らしを始める人も多い季節。自炊に初めて挑戦する人もいると思いますが、特に朝は忙しくてなかなか食事の準備ができない人も多いものです。それでも朝食は必ず取りたいもの。朝、手早く作ることができて、一日のスタートをうまく切れるスープをご紹介しましょう。

朝ご飯を食べてスイッチを入れよう

 人間の体は、寝ている間もブドウ糖を消費しています。朝目覚めたときに何となくぼーっとしてしまうのは、脳のエネルギー源となるブドウ糖が不足しているからだといわれています。朝ご飯を食べないと、エネルギー不足で脳がうまく働くことができません。仕事や勉強を頑張ろうと思っても、集中力が欠けてしまったり、イライラしてしまったりと、精神的に不安定になってしまうことにつながります。

 朝から生き生きと活動的に一日を過ごすため、朝ご飯をしっかり食べることを習慣づけていきましょう。

朝はスープを「食べよう」

 理想的な朝食は、ご飯、麺類、パン類などに多く含まれる炭水化物、肉類、魚類、大豆製品、卵といった食品に多く含まれるタンパク質、そして、野菜類、果物類に含まれるビタミン類を組み合わせて取り入れた、バランスのよい食事です。ただ、忙しい朝に一品ずつ用意するのは品数も多く大変です。

 そんなときは、前夜の残り物のおかずや冷凍ご飯を温めて食べるのもおすすめです。また、朝食はメニューを固定してしまえば、用意も簡単です。ゆで卵を数個まとめて作っておいたり、そのまま食べられるチーズや果物、ミニトマトを常備しておいたりするのもよいでしょう。缶詰を利用すれば、下処理にかかる手間も省けます。

 今回は、忙しい朝でも作れて、一品でも栄養バランスのよい簡単スープをご紹介しましょう。

パスタ入りトマトスープ
【材料(4人分)】
トマト水煮缶     1缶
ハム         2枚
タマネギ       1個
ニンニク       1片
水          3カップ
ショートパスタ    100グラム
オリーブ油      大さじ1
固形スープ      2個
塩、黒コショウ    適量

【作り方】
1.タマネギはくし形に切り、ニンニクみじん切りにする。ハムは1センチ幅に切る
2.鍋にオリーブ油を熱してハムとニンニクを炒め、タマネギも加える。全体がしんなりしたら、固形スープの素、水を3カップ入れ、トマト缶も一緒に加える
3.「2」パスタを入れ、煮立ったらアクを除いて塩で調味し、好みのかたさになるまで煮て、器に盛って黒コショウを振ったら出来上がり

 トマト缶を使ったスープは、忙しい朝でも作りやすいメニューです。細いパスタを選べば、ゆで時間も短縮でき、具材をたっぷり入れると炭水化物だけでなく、タンパク質、ビタミン類も補えます。また、前日にパスタ抜きのトマトスープを作っておけば、朝はパスタを入れて温めるだけで食べられます。温かいスープは体温を上げ、代謝を上げてくれますので、朝におすすめです。

 なお、朝食をしっかり食べるには、夕食の時間も大切です。遅い時間に暴飲暴食すると、朝に食欲がない、朝起きられないなどの悪いリズムになってしまいます。

 太陽が昇っている間は活動的に動き、沈んだら休息するという、睡眠、血圧、ホルモン分泌などの体内リズムが人間の体には備わっており、「体内時計」と呼ばれています。体内時計を整えるためには、まずは、朝ご飯を必ず食べることが大切で、私たちの健康に欠かせません。朝ご飯をしっかり食べて、すっきり目覚めた体で一日をスタートしましょう。

管理栄養士、NS Labo代表理事 岡田明子

1人暮らしの朝をうまく乗り切るには?