レスター・シティのアイヤワット・スリヴァッダナプラバ会長が自身の父親で前会長である故ヴィチャイ氏のバースデーに、『Gift of a Wish 2020』と冠せられた慈善プログラムを開始することを発表した。

レスターでは2018年10月27日にホームで行われたウェストハム戦後、ヴィチャイ前会長ら搭乗者5名を乗せたヘリコプターがスタジアム近くの駐車場に墜落し、搭乗者全員が死亡する悲劇的な事故に見舞われた。

その事故から1年半以上が過ぎた2020年4月4日はヴィチャイ前会長の62歳のバースデーとなり、アイヤワット会長は同日に新型コロナウイルス(COVID-19)への対応を含めたレスターシャー地域を支援するための慈善プログラム開始を発表した。

現在、母国のタイに滞在するアイヤワット会長はクラブ公式サイトに“レスターファミリー”へのオープンレターという形で、今回の慈善プログラムについて以下のように説明している。

「この困難な時期を過ごす、皆さんとその家族を想い今回の手紙を書いています。これを読んでいる世界中の人たちは状況や程度にこそ差はあるものの、流行中のパンデミックの影響を受けていると思います。この危機を世界が協力して乗り越えようとしている中、私の思いは常に皆さんと共にあります」

フットボールは人々を結び付けるものだと思いますが、現在は人々を分離し、全員の安全を保つために一定の距離を取ることが求められています。ただ、この複雑な状況を通じてお互いをサポートするための方法を見つけ出すことが重要だと考えています」

「クラブとして、私たちは自分たちのリソース、影響力を活用して公衆衛生サービスのサポート、最も助けを求めているレスター・シティファミリーを支援する重要な役割を果たせると思っています」

「そして、クラブのスタッフはその役割を果たすために絶えず努力を続けており、フットボールが行われない状況においても、コミュニティの中心としての責任を果たし続けます。人々を結び付けて弱者をサポートし、正しいことを行おうとしています」

レスターシャー地域のコミュニティにおいては様々な課題があることを認識しています。ただ、パンデミックという緊急事態は各種問題の要因であり、その存在自体が脅威となっています」

「したがって、その事実を念頭に置いて、最愛の父の誕生日であるはずだった今日、ヴィチャイ・スリヴァッダナプラバ財団は『Gift of a Wish 2020』を再開し、レスターシャーの地域社会・共同体に資金の提供を行っていきます」

「この前例のない状況において、利用可能な資金の一部はコロナウイルスパンデミックの影響を受けた人々を支援するための活動に割り当てられます。それと同時にコミュニティがこの危機から脱し、既存のサービスを再構築するためのサポートのために利用していくことが重要です」

フットボールはいずれ戻ってきます。ただ、それはもう少し先の話です。現在、私たちにとっての最優先事項はスタッフ、プレーヤー、ファン、一般の方々の幸福です。したがって、私たちは最もサポートが必要なコミュニティの支援が最も重要なことだと考えています。家に居ましょう。そしてお元気で」

なお、『Gift of a Wish 2020』の寄付の申し込み方法などは週明けに発表される予定だ。

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