こんにちは。キッズ・マネー・ステーション認定講師でファイナンシャルプランナーの渡邉詩子です。

47都道府県のマネー意識が明らかに!消費税増税後、いちばんケチケチした県民は?

サラリーマンの方は毎年年末に「給与所得の源泉徴収票」というものを給料明細と一緒に受け取り、12月のお給料は年末調整が入る兼ね合いで振込額に増減が生じますよね。

源泉徴収票には色んな項目や数字が入っており、どう読み取ればいいの?と疑問に感じていらっしゃる方も多いかと思います。

以前の私もそうでしたが主人の支払う税金を少しでも減らしたい!そのために、どういった控除が受けられるのかを調べたことがきっかけで、またFP取得に向け勉強中だったこともあり、現在では理解するに至っております。

実のところ源泉徴収票の読取りは、流れが解ればそんなに難しくありません。今年の1月より所得税制が変わり、年収850万円超の方は増税になる可能性もあるので、この機会に理解を深めて頂ければと思います。

1.源泉徴収票とは?

簡単に言うと一年間でいくら給与等が支払われたのか、そして所得税をいくら納めたのかがわかる書類です。

所得税は給与などの収入金額全体に対してかかるのではなく、収入金額から様々な控除額を差し引いた金額(=課税所得)に対してかかります。まずは全体的な流れを見ていきましょう。

2.源泉徴収票の読み取り方

まず、①年収(=支払金額)から給与所得控除と言うサラリーマンが引くことのできる経費を差し引きます。(年収によって金額は異なります。)そうして出てくるのが2の給与所得控除後の金額です。

次に②から③を引く所得控除を行いますが、所得控除とは一定の要件に当てはまれば2の金額から差し引くことができる制度です。

納税者の家族構成など個々の事情によって変わる項目なので、11月中旬になると会社から扶養控除や生命保険料控除の申告書類を渡され、提出することになっていますよね。

それらを含んでいる2行で囲っている箇所が所得控除の内訳です。実はここが節税のポイントですので、知っておくべき所得控除については後述します。

②から③を引いた金額が課税総所得金額、つまり税金の支払いの対象になる金額です。

この金額に所定の税率(年収により異なる)をかけ算出された数字が所得税額です。

この算出した税額から更に税額控除ができるケースの代表的なものが住宅ローン控除です。

税額控除できる方はこれを差し引いた額が源泉徴収税額(実際に納める所得税額)になります。

知っておきたい所得控除5つ

3.節税を考える上で知っておきたい所得控除

所得控除は14種類ありますが、その中で節税に役立つ控除を挙げてみました。

基礎控除…納税者が誰でも差し引くことのできる経費みたいなものです。

これまで一律38万円でしたが、2020年1月より10万引き上げられ48万になりました。ただし所得合計が2400万円を超えると段階的に減り、2500万円超になると0になります。

扶養控除…控除の対象になる扶養親族がいる場合に適用できます。

特に親を扶養に入れることができると、控除額が大きいので申告漏れがないように国税庁のHPなどで適用要件を確認しましょう。

生命保険料控除…生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料を支払った場合に最大で12万円(それぞれ最大4万円)の控除が可能です。

万が一や資産形成などのために保険に入ることで、所得税の支払いを少しでも減らせることにつながります。

寄付金控除…個人が寄付をして税金が安くなるものとしては、既に皆様もご存知のふるさと納税です。

寄付する人にも受け取る自治体にもメリットがあるので、上手に活用しましょう。

小規模企業共済等掛金控除…iDeCo、個人型確定拠出年金(個人型401k)の掛け金はこれに該当し、支払った掛け金の全額が控除できます。

会社が企業型確定拠出年金に加入している方は企業型と個人型の2種類があり、その選択は会社が判断するので個人の自由で選ぶことはできません。

また会社がどの制度を採用しているかにより掛け金の上限額が決まっているので、「毎月これだけ掛けたい」という意向に沿えないケースもあります。

老後の資産形成ができると同時に生命保険料控除より節税効果が大きいのでまだやっていないという方はおすすめです。

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)…こちらは平成29年1月より導入された制度で、健康診断などを受けている人が一部の市販薬を購入した際に控除が受けられるものです。

対象商品には共通の識別マークが入っています。対象の医薬品において、年間1万2000円を超えた分に対して所得控除を受けることができます。

ただし、上限金額は8万8000円です。

この制度は確定申告をする必要があり一年間のレシートや領収書は申告時に必要になりますので必ず保管しておきましょう。

また医療費控除より使いやすくはなっておりますが、併用はできないので医療費控除も適用可能な場合はどちらで申告する方がおトクかを計算できるサイトで事前に確認しましょう。

所得控除を行うことによって税金の支払いの対象になる所得金額が減り、結果的に所得税の支払いを小さくすることができる、これが所得控除は節税になると言われる所以です。

上記の中でまだ取り組んでいないものがありましたら、是非今年取り組んで、節税してみてはいかがでしょうか。

(株)エージェントランド 渡邉詩子(わたなべ うたこ)

ファイナンシャルプランナー/キッズ・マネー・ステーション認定講師/家計整理アドバイザー