夜の街にも逆風が吹いている

日本水商売協会は4月、「新型コロナウイルス感染症による接待を伴うナイトクラブの自粛による営業補償をお願いする陳情書」への署名活動を始めた。発起人には、銀在や六本木、歌舞伎町のクラブ、ホストクラブなど14店が名を連ねている。

署名サイトによると、3月30日東京都小池百合子知事がバー、ナイトクラブの利用自粛を呼び掛けて以降、明らかに顧客が減少し、休業せざるを得なくなった飲食店もあるという。同協会は「対処すべき事態であることは理解をしております」とした上で

「しかしながら、この新型コロナ感染の災禍に対しまして、我々接待を伴う飲食店、という名指しで、都民の利用の自粛を要請したことは、当業界の存亡や従業員の生活に直結する重大な事態であります

と強調し、早急な補償対応を求めている。

経産省の補償制度は「申請しても通らず」


サイト上では、日本国憲法で規定された財産権の保障を根拠に「本来、自粛要請は、憲法第29条3項に鑑み、補償とセットでなされるべきものです」と訴える。欧米諸国では、緊急事態宣言発令の前段階で、売り上げ毀損状態にある業界に手厚い補償を約束した上で市民に自粛要請を出した、と海外の事例を引き合いに出している。

一方、経済産業省新型コロナウイルスの影響を受けた事業者の補償を行う「セーフティネット保証5号」では「バー、キャバレー、ナイトクラブ」を対象に含むにも関わらず、風営法の認可を受けるキャバクラやナイトクラブなどは「主として食事の提供を行うもの」に該当しないとして、申請しても通らないという。

新型コロナウイルスの感染対策という公共目的によって、合法の営業が制限、ないしは事実上の禁止を受けている、とした上で「店舗家賃の補償」「人件費の補償」「無担保無利子融資の斡旋」の3種類の補償を求めている。同サイトには、6日19時時点で約4200人の署名が寄せられている。