アルティメット・シリーズ初のオープン・コクピット
マクラーレンのトップレンジを受け持つアルティメット・シリーズは、これまでP1、セナ、スピードテールといった究極のモデルを送り出してきた。
【画像】細部まで分かる マクラーレン・エルバ【詳細写真】 全87枚
その最新作として姿を現したのが新領域といえるオープン・コクピット・モデルの「エルバ」である。そのエルバが、ついに日本でお披露目された。
これまでのアルティメット・シリーズとは異なり、1960年代のレーシングマシンのイメージを受け継ぐオープン・コクピットのスタイリングを採用するのが特徴。
ドライバーとクルマの一体感、究極のドライビング・エクスペリエンスを突き詰めたモデルに仕上げられている。
エルバが意味するもの
1960年代。マクラーレンの創始者であるブルース・マクラーレンは、アメリカとカナダを舞台に排気量無制限のグループ7レーシングマシンで競われるカンナム・シリーズに挑むことを決意する。
しかし当時のマクラーレンは、まだコンストラクターとしての体制が整っていなかったことから、マシンの製作をイギリスのレーシングマシン・メーカーのエルバ・カーズに依頼した。
こうしてマクラーレン初のマシンとして「エルバ・マクラーレン」が誕生する。当時としては最先端のテクノロジーを備えていた。後にマクラーレンではM1Aと改名し、M1B、M1Cと進化してゆく。
ブルース・マクラーレンの知見を盛り込んで先進技術を備えていたエルバ・マクラーレンは、マクラーレン・カーズの原点であることから、アルティメット・シリーズ初のオープン・コクピット・モデルに受け継がれて命名されたのである。
ちなみに新たな「エルバ」を製作するにあたり、名称使用権を正式に取得している。
展示車両はデザイン・プロト
今回日本で披露されたマクラーレン・エルバは、先行して製作されたディスプレイ用のショーカーだった。とはいえ基本的なスタイリングと装備を備え、現時点で2台のみが存在するという。
まずマクラーレン・オートモーティブ・アジア ヘッド・オブ・ジャパンの正本嘉宏代表からエルバの説明がなされた。
イギリス本社のメンバーによるプレゼンテーションは、プロダクト・マネージャーのイアン・ディグマン氏が商品説明、デザイン・ディレクターを務めるロバート・メルビッレ氏がデザイン解説を行った。
マクラーレン・エルバの日本での基本価格は、英ポンド表記となり、137万5000ポンド(本日のレートで1億8475万円)。
ここにオーナーがビスポークで装着するマクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)のオプション代金が加算される。
すでに日本からのオーダーも入っているそうで、具体的な台数は発表されなかったが、世界における日本でのマクラーレンの販売割合である7%強を導入すると予想されている。
生産台数は249台に
なお昨年11月の発表時は399台の限定生産とアナウンスされていたが、社会的な影響や競合他車の登場を鑑み、価値を担保するために総生産台数は249台に変更された。
当初は2020年第4四半期から生産を予定していた。しかし、新型コロナウイルスの拡大に伴い、マクラーレン・グループは医療用人工呼吸器の製造をサポートする「ベンチレーター・チャレンジ」に参画。
そのため、生産開始時期が変動する可能性もありそうだ。
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