エリザベス女王(93歳)が、新型コロナウイルスによるパンデミックを受けてテレビ演説を行い、「打ち勝つことができる」と呼び掛けた。国民に向けたスピーチは異例のことで、女王直々に、世界中の人々の団結を懇願したかたちだ。

「過去に我々に課されてきたチャレンジと今回のものは異なります。地球上、すべての国家が一丸となる時です。格段に進歩した科学技術、そして我々が元来持つ慈悲の心を使ってです。私たちはやり遂げます。そしてその成功は我々ひとりひとりのものです。友人らとまた会う日が来るでしょう。自分の家族たちとも。私たちはまた会えるのです」

そして、女王は後々誇りが持てるような行動をして欲しいとしてこう続けている。

「これから数年が経ち、皆さんが今回のチャレンジへの自分の行動に誇りを持つことができるよう願います。そして後の世代が、あの時代のイギリス国民はいつにも増して強かったと語ることができるよう。自制と静かなユーモア、そして仲間意識といったこの国を特徴づける性質が功を奏したと言えるよう願う次第です」

今回、4分にわたる演説の中で女王は、戦時下での自身の経験なども吐露しつつ、最前線で戦う人々へ感謝の言葉を投げかけていた。

イギリス連邦及び世界中の国々で、人々が協力し合い他者を助ける心温まる話を聞きます。食料や薬を運び、近所の人々を気遣い、自身のビジネスを救援活動に変えたりとです。自主隔離は大変なことではありますが、あらゆる信仰、及び無信仰の人々が歩を緩め、休みを取り、自分を顧みる、祈り瞑想する機会となっています。NHS(国民保健サービス)のフロントラインで働く方、ケアワーカー、そして私たちを支えるために外出し、自分を投げうって任務を果たす全ての人々に感謝を述べたいと思います。あなた方のしている事が、私たちを日常へと戻してくれると国民共々確信しています」