日を追うごとに感染者数が増え続け、収束の見通しがまるで立たない新型コロナウイルス。世界中がコロナ禍の真っ只中にあるなか、Twitterのトレンド上位に「コロナ離婚」なるワードが登場し、注目を集めている。

◆非常時にこそ、夫婦の問題は表面化しがち

コロナ離婚」とは、新型コロナウイルスの影響による外出自粛、テレワークによって生活環境が激変し、パートナーに対してストレスを感じたり価値観の違いからケンカになって離婚にまで発展することを指すようだ。すでに民間企業による「コロナ離婚防止の窓口」まで登場しているという。

 感染不安に、経済的不安。ストレスフルな緊急事態下では、誰しも心の余裕を失ってしまうもの。そういうときこそ、これまで溜まっていた不満や、夫婦の問題が表面化することも少なくないはず。

 こんなとき、夫婦はどうやってお互いと向き合えばいいのか? そんな普遍的なテーマを深掘りし「夫婦円満のための100ルール」をまとめた新書『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(著者:犬山紙子。扶桑社刊)が現在発売中だ。

 一般の夫婦を取材することで見えてきた、“夫婦”という関係性を巡るありとあらゆる危機や問題の対処法、折り合いのつけ方を犬山さん独自の視点と切り口で探ったこの本。「コロナ離婚」に至るべきか、復縁すべきか……そう思い悩む人にこそ今読んでほしいコラムを、新書より抜粋する。

◆復縁すべきか、離婚すべきか……どう決断すべき?

 夫婦関係の亀裂をどうにかしたいが、どう話しかけていいかわからないし、話しかけたら話しかけたで関係は悪くなる一方……。そんな深刻な悩みに対するヒントを、専門家はどう考えるのか。

『身近にいる「やっかいな人」から身を守る方法』(あさ出版)というアメリカの全米トップ精神分析医にも選ばれ、コンサルタントビジネスコーチFBIの人質解放交渉のトレーナーも務める、マークゴールストン氏の著書をもとに考えていきます。経歴が強い。人がやっかいな状態になるプロセスだったり対処法が綴られている素晴らしい本なのですが、この本の一部分で夫婦の復縁について触れられているのです。

「復縁セラピー」に必要なのは、お互い「人格」の状態をよくするという根本のアプローチそれがなければ問題は解決しないということです。ギスギスした状態の夫婦はとてもお互いを支援し合っている仲とは言えず、報復し合う仲だということ。まずそれを自覚するところから始まるのだそうです。この状態の人間はあまり理性的には振る舞えないものだそうで。そうした心構えのまま表面だけ修正してもまた不満は溜まり、結局復縁は不可能に。「どちらに非が多くある」とか、お互いに言いたいことはたくさんあるはず。でも復縁したいのであれば、互いのモードを整えるところからスタートなんですね。

 夫婦で、まず誓い合う。「今日からはお互いの支援者になる」と。これを誓うのが難しい場合は、第三者(できればプロ)に入ってもらって誓う。そして、不満やイライラに対して理性的に対処するように努めること。否定的な感情を乗り越えたときの状況を書き留め、1日の終わりにお互い自分が乗り越えたことを話すこと。失敗に終わったこともです。

 これをやり続けるとお互いの気持ちを尊重し合うようになるそうです。よく変わろうとしている相手の努力を感じ、自分の努力も理解してくれる関係になるという。

 この土壌があれば、先に起こる問題も対処できるんですね。不満が生まれても、攻撃的に伝えることなく、理性的に「こうして欲しい」と提案できるし、提案されるほうも聞く準備が整っているという。

◆誰もが「支え合える存在」になれる

 昨年、私は『ホメラニアン』というラジオをやっていました。これはリスナーさんから届いたお便りを全肯定しながら読むという趣旨の番組です。リスナーさんの頑張ったことも、頑張れなかったことも、1日の終わりの時間に読んで褒めるんですね。するといつの間にかリスナーさん同士で褒め合うようになりました。みんなお互いに支援者になり合っていたのです。私もです。

 その手応えは凄かったです。さまざまな性格、年齢、職業の方が同じラインに立って支援者であり続けることができるのだと。ですので、ここに書いてあることは身を持って「効果がある」と私も言えるわけです。

 そして、修復が難しい、そもそも復縁する気がないときは「離婚」という選択肢ももちろんあります。この本のテーマリカバリー力なので修復方法を綴っていますが、離婚したほうがいいというケースももちろんあります。そんなときは、結婚を続けるべきか、離婚をすべきか「どちらが自分にとって幸せな人生なのか」を一番に考えるべきです。離婚をしたからといって「悪」では絶対ありません。自分の人生を大切に考えたうえでの決断というのはポジティブなものです。

 離れたほうがいいかどうかの見極めについて、ゴールストン氏によると

■その人を頼ったときに心の支えや精神的サポートを得られるか? それとも、その人は冷淡で暴力的か?

■その人から実用的な支援が得られるか? それとも支えを求めたら拒まれるか?

■その人は自分の言動に対して責任を取るか? それとも人のせいにするか?

■その人は信頼できる人か? それとも信頼性に欠ける人か?

■その人は自立しているか? それとも依存的な人か?


 だそうです。まずはこれらの問いを自分に投げかけてみること。そして、その相手があなたから得られるものは何か、実際に何を得ているのかも考えてみましょう。あなたはできること以上のことを相手にしていないだろうか? 精神的に疲弊していないだろうか? 離れたら自分が悪い人間であるように感じて自己嫌悪に陥るから離れられないのではないだろうか? 「どっか行ってくれないかな」「死んでくれないかな」と思ってしまうのは悪い人間だからでなく、人間らしい感情で、そう感じていたら離れるべきだと。

 また、相手から離れるときは

■反応しない

■相手の言うことに返答しない

■関係を復活させない


 を徹底することだそうです。罪悪感が働いても、「自分の問題を他人になすりつける相手」と居続けることからは逃げたほうがいいに決まっています。どうせこういう相手は新たな餌食をすぐに探し始めますし。

 また、DVやストーキング、脅してくるなどモンスター級の相手の場合はすぐに専門機関に相談を。ひとりで解決できる問題ではないので、専門家の力を迷わず借りてください。

話し合いが成立しないときはどうすべき?

 そもそも話し合いの席についてくれない。そういうときはどうすべきか? 何度も「話そう」と語りかけてもかわされてしまう、「そもそも話し合いが成立しない」という経験をしたことがある人も多いかと思います。

 私、犬山が取材を重ねて出した答えは「第三者、できれば相手が尊敬している人の力を借りる」こと。どんなことであれ、まずは第三者に相談すべきなんです。人はなかなか自分の問題を自覚できていないもので「話し合いにならない」ことにすら気がついていない相手も多い。

 相談できる人が見当たらない、連絡を取れない場合は、プロの力を借りること(臨床心理士の資格を持っていたりと、トンデモではないカウンセラーがベスト)。連れて行くのが難しい場合「自分が不安に思っていることがあり、カウンセリングに一人で行くのはとても緊張するのでついてきて欲しい」と相手を誘うのも手でしょう。

 それでも話し合いができない相手は、私なら離婚を強く考えます。「話し合いができない、自分の意見を聞いてもらえない」=「自分を尊重してもらえない」という状況で、どんどん自尊心が削がれてしまうからです。この状態になると「別れた方がよいのに依存してしまっているためできない」という構図が生まれてしまいます。

【犬山紙子】
作家タレント。’81年、大阪府生まれ。現在、週刊SPA! にて「他人円満」を連載中。過去には小誌で7年間「痛男」を連載。著書に『アドバイスかと思ったら呪いだった。』(ポプラ文庫)など。新刊『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』(扶桑社刊)が発売中

(写真はイメージです)