俳優の林遣都と女優の小松菜奈が初共演でダブル主演を務める映画『恋する寄生虫』が、2021年に全国公開されることが決まった。

【写真】映画『恋する寄生虫』原作書影

 本作は、作家・三秋縋による10万部突破の同名小説(KADOKAWA)を原案に、心の痛みを抱えた孤独な若者の切ない恋愛を描く。林が極度の潔癖症から誰とも人間関係を築けずに孤独に生きる青年・高坂賢吾役、小松が視線恐怖症に苦しむ不登校女子高生・佐薙ひじり役を、それぞれ演じる。監督は、CMやミュージックビデオを中心に活躍する柿本ケンサク。脚本は『長い散歩』(06)、『眉山―びざん―』(07)、『トワイライト ささらさや』(14)の山室有紀子が担当する。

 極度の潔癖症から誰とも人間関係を築けずに孤独に過ごす青年・高坂(林)は、視線恐怖症で不登校の少女・佐薙(小松)の面倒を見ることに。露悪的な態度をとる佐薙に閉口していた高坂だが、それが自分の弱さを隠すためだと気付き共感を抱くようになる。クリスマスに手をつないで歩くことを目標にリハビリを始めた二人はやがて引かれ合い、初めての恋に落ちていくが―。

 高坂役の林は「『恋する寄生虫』は普通の恋愛映画ではないファンタジックな要素もありつつ、軸として描かれるのは人の心の変化です。人生に行き詰っていた人間が、誰かと出会って感じたことのない喜びを味わい、思いがけないところにたどり着く。この映画も、誰も想像出来ない世界が広がっている新しいラブストーリーになっていると思います」と話す。

 佐薙役の小松は「社会に馴染めない不器用な二人の恋愛は初々しく新鮮で、佐薙ひじりを演じる日々はとても愛おしい時間でした。視線恐怖症に苦しむ繊細なキャラクターである佐薙ひじりを演じるうえで、迷いや不安もありましたが、撮影が進んでいく中で彼女を理解していき、最後には素直に感情をぶつけられたと思います」と撮影を振り返る。

 柿本監督は「今、社会全体が大変な状況に置かれている中、自分を含む多くの人が未来への希望を失う危機に瀕しています。こういう状況だからこそ、本当に大切なものが何かを見失わないよう常に自分自身の心に耳を傾けたい、そんな思いを込めています」と語っている。

 映画『恋する寄生虫』は2021年全国公開。

映画『恋する寄生虫』ダブル主演の林遣都、小松菜奈 (C)2021「恋する寄生虫」製作委員会