マイクロソフトがついに待望のXbox Game Pass」の日本上陸を発表した。4月14日より、マイクロソフトの月額定額ゲーム遊び放題サービスがようやく日本でも利用できる。

 もっとも基本的なXbox One向けのXbox Game Pass for Console」(以下、XGP for Console)が月額850円、PC向けで現在ベータ版が提供中のXbox Game Pass for PC」(以下、XGP for PC)が月額425円、そして両プラットフォームに対応しXbox Live Gold加入権(月額842円、年間加入で5378円)も入ったXbox Game Pass Ultimate」(以下、XGP Ultimate)が月額1100円となっている。

 米国ではXGP for Consoleが月額9.99ドル(約1090円)、XGP Ultimateが14.99ドル(約1630円)なので、1ドル100円と計算しても日本の方が安い。また、初回に限り1ヶ月1ドルで加入できるサービスは日本でも提供され、XGP for PCとXGP Ultimateは最初の1ヶ月は100円で加入できる。

 また、XGP UltimateにはXbox Live Goldが含まれているため、Xbox Game Pass用のライブラリとは別に、無料タイトルを毎月もらえる「Games with Gold」のサービスを受けられる。

 Xbox Game Passは他社も行っているゲームサブスクリプションサービスのひとつだが、他のサービスに比べてもライブラリは充実しているように見える。日本向けに発表されたタイトルを見ながら、ダウンロード版と比べてどれくらいお得なのかを見ていきたい。

(画像はマイクロソフト公式サイトより)

 Xbox Game Passのもっとも大きな強みは、Minecraft DungeonsHalo InfiniteGears Tactics』など、Xbox Game Studiosの制作する今後の作品を発売日からすぐにプレイできる点だ。マイクロソフトは実力派のデベロッパーを精力的に買収しており、ひとくちにXbox Game Studios作品といっても、そのタイトルはバラエティ豊かだ。

 Xbox Game StudiosではFallout: New Vegasを作ったRPGの老舗Obsidian Entertainment、マインクラフトを作ったMojangルーカスアーツ『Grim Fandangoの製作を指揮したティム・シェーファー氏率いるDouble Fineなど、Haloシリーズの343 Industries以外にも多くのデベロッパーを抱えている。

 マイクロソフトの自社販売タイトルではないが、Xbox Game Studiosと提携してゲームを制作するMoon Studiosの『Ori and the Will of the Wisps』も発売日にXbox Game Pass入りしている。通常価格は3150円なので、Xbox Game Passに加入すればこれをクリアするだけで元が取れてしまう。

 本作は手強い難易度や情緒たっぷりのストーリーを前作から引き継ぐとともに、さまざまな移動テクニックや光の剣を使った直接的な戦闘が追加された名作で、本作を目当てにXbox Game Passへ加入するのはかなりコストパフォーマンスが高い。ゲーム自体はすべてのクエストをクリアしてアイテムを集めても20時間ほどでクリアできるため、1ヶ月のみの加入でも十分遊び尽くせるだろう。

(画像はマイクロソフトストア『Ori and the Will of the Wisps』より)

※以下のリストにはマイクロソフトが公開したものに、ゲームのダウンロード版通常価格と発売年を追記している

■日本のクリエイターたちの名作タイトル:
デビルメイクライ5Xbox Game Pass for Console)(2019年 3990円)
NieR:Automata BECOME AS GODS Edition (Xbox Game Pass for Console)(2017年 5280円)
鉄拳7Xbox Game Pass for Console)(2015年 4400円)
龍が如く0Xbox Game Pass for Console, Xbox Game Pass for PC (Beta))(2015年 3850円)
デッドライジング4 (Xbox Game Pass for Console, Xbox Game Pass for PC (Beta))(2016年 4650円)

 100タイトルを超えるというライブラリから、日本の作品として最初に挙げられたのはデビルメイクライ5だ。Xbox Oneダウンロード版の通常価格は3990円で、XGP for Consoleに1ヶ月加入してしまえば、十分にもとが取れる価格だ。本作は2019年に発売され、複数のプラットフォームでセールもされているが、公式に850円まで値が下がった話は聞いたことがない。

 『デビルメイクライ5』には他人のプレイを見られるほか、場合によっては共闘も可能な「シェアードシングルプレイ」と呼ばれるゆるいマルチプレイの要素も含まれている。この機能も楽しみたいなら、Xbox Live Gold加入権も付くXGP Ultimateを選ぶとよいだろう。

 2017年に発売されたオリジナル版を強化した『NieR:Automata BECOME AS GODS Edition』の通常価格は5280円。やはりXGP for Consoleに1ヶ月加入してしまえば、十二分にもとが取れる価格だ。

 主人公2Bのキャラクターデザインが多くのプレイヤーに受け入れられ、陰鬱ながらも随所にユーモアが光る“ヨコオ節”や、ゲームという媒体を存分に生かしたストーリーに魅了された人は多い。初心者から上級者まで楽しめるアクションゲームなので、もしまだプレイしていなければ、Xbox Game Passで気軽にプレイしてみてほしい。

(画像はマイクロソフトストア『NieR:Automata BECOME AS GODS Edition』より)

■海外の大型タイトル:
・NBA 2K20 (Xbox Game Pass for Console)(2019年 7600円)
ウィッチャー3Xbox Game Pass for Console)(2015年 7128円)
Dishonored 2 (Xbox Game Pass for Console)(2016年 4406円)
DOOMXbox Game Pass for Console)(2016年 2246円)
・シャドウ・オブ・ウォー (Xbox Game Pass for Console)(2017年 5950円)
アウター・ワールドXbox Game Pass for Console, Xbox Game Pass for PC (Beta))(2019年 7500円)

 海外作品では『ウィッチャー3 ワイルドハント』がオススメだ。リストにはウィッチャー3と書かれているが、海外のXbox Game Passではゲーム・オブ・ザ・イヤーエディションがリストされているため、日本のXbox Game Passでもこちらのエディションがリストに並ぶと考えられる。2015年発売と少し古く、セールも頻繁に行われている。通常価格は7128円だが、記事執筆時点ではセールが開催されており、2138円で購入可能だ。

 ただし、本作は「一ヶ月間ですべてを遊び尽くせるか」の視点で見ると、なかなか難しい作品である。ゲームのプレイ時間を集計する海外のWebサービスHow Long to Beatによれば、メインストーリーを終わらせるだけでも平均して50時間超と記録されている。ゲーム・オブ・ザ・イヤーエディションで追加されたシナリオを含むすべてのクエストを回った場合の平均プレイ時間は130時間。通常価格とゲームの面白さを考えれば継続加入してクリアを目指してほしいゲームだが、本作に集中したいのであれば、セール時に購入してじっくりとプレイした方が良いだろう。

(画像はマイクロソフトストア『ウィッチャー3 ワイルドハント ゲームオブザイヤーエディション』より)

■世界中のインディータイトル:
Untitled Goose Gameいたずらガチョウがやって来た!〜 (Xbox Game Pass for Console)(2019年 1980円)
ロケットリーグXbox Game Pass for Console)(2015年 2160円)
Hollow Knightホロウナイト) (Xbox Game Pass for Console, Xbox Game Pass for PC (Beta))(2017年 1750円)
ARK: Survival EvolvedXbox Game Pass for Console, Xbox Game Pass for PC (Beta))(2017年 5832円)

 インディーズタイトルでは無限に時間を吸われそうなタイトルがそろっているが、 なかでもARK: Survival Evolvedがオススメだ。最近ではバーチャルライバーにじさんじ大戦争を起こしたゲームとしても知られており、配信を見てから本作に興味を持った人も多いのではないだろうか。

 価格は5832円とちょっと試すには少し高めだが、XGP Ultimateなら1100円で1ヶ月遊べる。PC版はマルチプレイを無料で利用できるので、ゲーミングPCをお持ちの場合はわずか425円で遊ぶことも可能だ。


(画像はマイクロソフトストア『ARK: Survival Evolved』より)

なつかしの名作タイトル:
バンジョーとカズーイXbox Game Pass for Console)(1998年 1543円)
NINJA GAIDEN 2 (Xbox Game Pass for Console)(2008年 3672円)
パンツァードラグーン オルタXbox Game Pass for Console)(2002年 1080円)
メタルスラッグXXbox Game Pass for Console, Xbox Game Pass for PC (Beta))(1999年 842円)
アルバスティア戦記 (Xbox Game Pass for Console, Xbox Game Pass for PC (Beta))(2018年 1320円)

 懐かしの名作は価格もそう高くないので、これだけを目当てにXbox Game Passへ加入するのは非効率に思える。ライブラリを見て、「懐かしい!」と思えるタイトルを遊んで郷愁に浸るような楽しみ方になるだろう。なお、アルバスティア戦記』は2018年発売のRPGで、ドット絵を利用した懐かしい雰囲気の作品も含まれている。

(画像はマイクロソフトストア『アルバスティア戦記』より)

 今回の発表では、Xbox Game Passの日本展開の前に、100本あるというライブラリの一部が明かされた。公開されたタイトルだけを見ても、本サービスはかなりコストパフォーマンスが高いものであることが分かる。

 とはいえ、やはり旧作も多く、ゲーム好きのユーザーの場合はすでに持っているものも多数含まれているだろう。もっとも効率の良い使い方は、月並みではあるが遊びたい新作が追加されたときを狙って加入することだ。

 ゲームに触れる筋道は多い方が好ましい。Xbox Game Passもそんな道の一本だ。サービスが開始する4月14日を心待ちにしたい。

ライター/古嶋 誉幸

ライター
一日を変え、一生を変える一本を!学生時代Half-Lifeに人生の屋台骨を折られてから幾星霜、一本のゲームにその後の人生を変えられました。FPSを中心にゲーム三昧の人生を送っています。
Twitter: @pornski_eros