新型コロナウイルス感染拡大防止のため自宅待機中の男が、アパートの外で騒いでいた5人を銃で撃ち殺してしまうという一報がロシアから届いた。『Mirror』『The Moscow Times』などが伝えている。

ロシアでは3月から政府が新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、食料か医薬品の購入目的や100メートル以内のペットの散歩以外の外出を禁じ、自宅もしくは屋内に待機するように発令している。

自宅待機の措置が取られてから2週間が経った今月4日の午後10時頃、リャザン州エラチマでアパートに住むアントンフランチャイコフ(Anton Franchikov、31)が、外にいた5人の男女を射殺し逮捕された。アントンは妻や幼い子供と自宅にいたが、アパートの外が騒がしいために寝ていた子供が起きてしまったという。

アントンがベランダから外を確認すると、アパートの前で近所の住民と思われる男性4人と女性1人が大声で話をしていた。アントンはベランダから苦言を呈したところ、お互いに口論に発展してしまったようだ。するとアントンは怒りが頂点に達したのか、室内からライフル銃を取り出して5人に向けて発砲した。

3人はその場に倒れ2人はアパート内に身を隠したが、アントンは部屋を出て階下へと向かって走り、隠れていた2人もその場で射殺した。アントンはその場から逃げようとしたが、通報を受けて駆けつけた警察官によって捕らえられた。

警察の調べによると、殺害された5人のうち22歳のクリスティーナ・タブノフさん(Kristina Tabunov)は妊娠中だったそうだ。そして彼女の夫もアントンに射殺されて亡くなっている。地方行政局長のグリゴリー・ダニロフ氏(Grigory Danilov)は、今回の事件について次のように語った。

「これは銃撃事件に発展した近所同士のトラブルです。口論の末、彼はライフル銃を手に取ることとなったのです。隔離2週目になると精神的に悪影響を及ぼすこともありますが、人々は今までのようにコミュニケーションを取ることができないので寂しさを感じるのです。私はこの男のことを狂っているとか異常だなどとは言うことはできません。彼は妻帯者で父親でもあるのです。」

ダニロフ氏の声明には、アントンが隔離中に精神的な悪影響を受けたのではないかと示唆しているが、皮肉にもアントンは神経精神医学施設で医師をしており、事件当時は自宅隔離も含めて育児休暇中だったという。

画像は『Mirror 2020年4月5日付「GP’s husband ‘shoots five dead for making too much noise’ during lockdown」(Image: social media)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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