日本と中国は文化や習慣で似ている点が多いが、実際に中国人が日本に来てみると思いがけない違いを発見するようだ。例えば、日本では街中で「カラス」をよく見かけるが、中国ではめったに見かけない。中国メディアの百度は6日、「日本に来たばかりの留学生は、ごみ収集所にネットがかかっているのを不思議に感じる」と紹介する記事を掲載した。

 記事はまず、日本にはカラスが多くてしかも大きく、翼を広げると1メートル近くもあり、飛んでいる様子は鷹のようだと伝えている。中国ではカラスを見ることはまずないので、「鷲のよう」に大きな黒い鳥がたくさんいたらびっくりするのも無理はないだろう。

 そして、日本ではごみ収集所に「ネット」がかけられているが、日本に来たばかりの留学生は「意味が分からずに困惑する」と紹介する一方、これはカラスにごみを漁られないための対策なのだと紹介。中国で主にごみを漁るのはお金に換えられそうなものを探す人で、網をかけることはないので驚くのだろう。

 しかし、そんなカラスも日本人には大切にされていると記事は紹介。ごみを漁り、黒々していて大きく、鳴き声も決して耳に心地よくはないが、昔から日本では「縁起のいい鳥」と言われてきたと伝えた。神武天皇の東征の際に、3本足のカラス「八咫烏(やたがらす)」が松明を掲げ導いたという神話があり、日本サッカー協会シンボルマークもこの八咫烏であると紹介し、いかに日本人にカラスを縁起の良い鳥としているかを伝えた。

 また、日本でカラスは鳥獣保護法により勝手な駆除が禁止されているので、その意味でも「日本人はカラスを大切にしている」という印象を与えているのかもしれない。とはいえ、真っ黒なカラスは不吉だと感じる人もいれば、ごみや畑を荒らされて困る人にとっては害鳥であり、その一方、賢くてかわいいと思う人もいるだろう。いずれにしても、中国人の旅行者や留学生にとっては、母国でめったに見ることのないカラスを日本で知る良い機会になっているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本に来たばかりの中国人が驚く「黒い鳥」と「ごみにかけられたネット」の存在=中国報道