スイスの名門グラスホッパー・クラブ・チューリッヒは9日、香港の企業『Champion Union』による買収が成立したことを発表した。イギリス『101greatgoals』が伝えている。

同クラブの発表によると、『Champion Union』は前所有者のピーター・スチューバー氏とシュテファン・アンリカー氏からクラブ株式の90パーセントを取得したという。

なお、『Champion Union』の代表を務めるのは中国の『Fuson Group』の会長であり、ウォルバーハンプトンのオーナーを務める郭広昌氏の妻であるジェニー・ワン氏だ。

『Champion Union』は『Fuson Group』の子会社であるものの、現時点でウルブスとグラスホッパーの間に公式な提携関係はないという。

とはいえ、ウルブスの取締役会に属していたスカイ・サン氏と、ヨーロッパスカウト担当のベルナール・シューテマン氏は、グラスホッパーの会長とスポーツ・ディレクターに就任するためクラブを退団しており、事実上の提携関係にあるようだ。

また、両クラブ間ではすでに2つの移籍が成立している。ウルブスは昨年3月にグラスホッパーの下部組織からU-17スイス代表DFクリスティアン・マルケスを引き抜いている。一方、今冬の移籍市場ではイングランド人DFエド・フランシスがウルブスからグラスホッパーレンタル移籍していた。

なお、ウルブスオーナーの郭広昌氏といえば、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドらを顧客に持つ世界最高の代理人とも呼ばれる、ジョルジュ・メンデス氏と親密な関係にある。

そのため、今回のグラスホッパー買収にあたってもメンデス氏の手引きが噂されているが、スイス『Blick』は疑惑はあるものの、その証拠となる材料はないとしている。

1886年に創立されたグラスホッパーは、バーゼルやヤングボーイズらを抑えてスイス1部リーグ最多優勝(27回)を誇る同国屈指の名門クラブ。しかし、近年は成績不振に陥っており、昨シーズンのスイス・スーパーリーグを最下位で終えたことにより、今季は1950-51シーズン以来となる2部での戦いを強いられている。

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