ニューヨークロングアイランド在住のジョールーインジャーさん(Joe Lewinger)が先月28日、新型コロナウイルスによる合併症で死亡した。42歳だった。愛する夫を亡くして1週間以上が経過した今月4日、妻マウラさん(Maura)がメディアを通して悲しみを語り、「お願いだから、家に留まって! これ以上犠牲者を出さないで」と訴えた。

新型コロナウイルスが猛威を振るうニューヨーク州では今月9日、死者数が7千人を超えた。死者の数は3日連続で最多を更新しており、州知事のアンドリュー・クオモ氏は自主隔離を徹底するように呼びかけている。そんななか、42歳で夫ジョールーインジャーさんを失ったマウラさんが、悲しい胸のうちを明かした。

ジョーさんはニューヨーク市クイーンズにあるカトリック高校「The Mary Louis Academy」に20年勤め、副校長やバスケットボールコーチとして活躍していた。新型コロナウイルスに感染した当初は微熱が続いていたものの、基礎疾患もなく症状は軽かった。しかし先月17日頃、熱が急激に上昇し、その後呼吸困難に陥って入院した。

マウラさんはジョーさんが入院して以来ほぼ24時間、ビデオ通話アプリ“FaceTime”をオンにして夫の様子を見守り続けたが、ジョーさんの容態は急変し、先月28日に息を引き取った。

マウラさんは亡くなる直前のジョーさんとのやり取りを、涙ながらにこう話している。

ジョーの容態が急変して医師がFaceTimeで繋いでくれた時、私は彼にこう懇願したの。『お願いだから、私たちを置いていかないで。私たち家族はみんなあなたが必要なの』ってね。医師はその会話のすぐ後に『なんとか彼の命を助けたい。また電話をかけなおすから』と言って電話を切ったわ。」

「私は医師からの電話を待つ間、夫との思い出のウエディングソングを何度も何度も聴いていたの。そして再び電話があると『できる限りのことはした。でも残された時間はあまりない』と告げられたわ。」

「医師に急いでFaceTimeで繋いでもらった私は、声を振り絞って夫にこう語りかけたの。『最高の夫でいてくれてありがとう。毎日私に“君を大切に思っているよ。君を愛しているよ”と感じさせてくれてありがとう』とね。そして祈った。でもその直後、医師に『残念だが、もう脈がない』と言われてしまって。夫の最期の別れには私たちのウエディングソングを流したわ。少なくとも私は、彼が逝った時、一緒にいることができたの…。でも誰にもこんな思いをして欲しくない。」

ジョーさんの死から1週間以上が経った今でも「夫が仕事に出かけているような気がして、死を受け入れることができない」と語るマウラさんは、ジョーさんの人となりついてこう明かした。

ジョーは毎朝ラブレターを書いて、私のお弁当箱に入れてくれたの。それは『今日もいい日でありますように』とか、そんな内容ではなく、彼の温かい愛が溢れていたわ。次の日や週末の予定なんかも書かれていてね。」

ジョーはいつも私のことを気にかけてくれて、助けてくれた。どんな話題でも親身になって聞いてくれて、『君がこの部屋で一番大切な人だよ』と思わせてくれる、そんな人だった。」

そして最後にマウラさんは、愛する夫の命を奪った新型コロナウイルス感染症について次のように語った。

感染症について軽く考えて『自分だけは大丈夫』と思って行動している人がたくさんいるわ。でも私たちは無敵ではないということをわかって欲しい。これは誰にでも起こることよ。お願いだから家に留まって、一緒に住んでいる人々以外と関わり合うことは止めて欲しいの!」

なお現在は葬式が禁じられているため、ジョーさんの死後マウラさんの自宅前には131台の車や消防車がパレードし、ジョーさんを追悼したそうだ。

画像は『People.com 2020年4月8日付「Woman Plays Wedding Song During Final FaceTime with Husband Dying from Coronavirus in Hospital」(PHOTO:FACEBOOK)』『GoFundMe 2020年3月29日付「Support for the Lewinger family」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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