2020年にデビュー40周年を迎えた鈴木雅之が、4月11日からスタートしたTVアニメシリーズ第2期「かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~」(毎週土曜夜11:30-0:00、TOKYO MXほか)のオープニングテーマを担当。ニューシングルとなる「DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理」が、4月15日(水)に発売される。

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鈴木が「かぐや様~」の主題歌を歌うのは今回が2度目。スマッシュヒットとなった前作「ラブ・ドラマティック feat. 伊原六花」に続き、いきものがかり水野良樹が詞と曲を手掛け、本間昭光がサウンドプロデュースを務める。

ソロアーティストであり、雑誌「Ray」のモデルや女優としても活躍中の鈴木愛理をゲストボーカルに迎えたポップでファンキーなラヴソングは聴き応えアリ!

鈴木雅之鈴木愛理の“W鈴木”によるスペシャル対談では、デュエットした感想や曲の聴きどころ、同じ名字で結ばれた不思議な出会いについて語ってもらった。

鈴木雅之「ぜひ、一緒にやってみたいなと」

――前作に続いて「かぐや様は告らせたい」シリーズの主題歌を担当することになった感想からお聞かせください。

鈴木雅之:ありがたいことに第2期の主題歌も担当させていただくことになりました。前作では、アニソンの世界に鈴木雅之が足を踏み入れるということで“アニソン界の大型新人”と言わせていただきながら楽しませてもらって。多くの方から好意的に迎えていただいてとてもうれしかったです。

今回は、前回よりもデュエット色を強くというリクエストがアニメの制作サイドからあって、プロデューサーの本間昭光といろいろ話し合いました。その中で、本間から(鈴木)愛理がすごくいいという推薦というか、お墨付きがあって。

鈴木愛理:え~っ! お墨付きだなんて、そんな。ありがとうございます。

鈴木雅之:ぜひ、一緒にやってみたいなと思いました。

鈴木愛理:私の歌手人生の中で、鈴木雅之さんとご一緒させていただける機会があるとは思っていなかったのですごく緊張しました。デュエットするという話を聞いた時は1回時間が止まったような気がします(笑)。

――デュエットレコーディングは別録りが多いですが、今回は?

鈴木雅之:先に僕がメインパートを録って、それに愛理がハモってくれました。ハモリのレンジでちょっと試してみたいなと思っていたものがあったんですけど、結構難しいことを完璧にやってくれたんですよ。

鈴木愛理:いや~、恥ずかしい(笑)。

鈴木雅之:主メロに対していろいろなパターンのハモリをテンションを変えながら入れてくれたんです。

鈴木愛理:私がハモらせていただいていいのかなって思いながらも普段はソロヴォーカリストとして頑張っているので、思いっきり自分らしさを出してできる限りのことをぶつけてみました。

鈴木雅之:とてもいいハモリを聴いてもらえるんじゃないかなと思います。

鈴木愛理レコーディングをしている時は、自分の知らないものを引き出していただいているような感覚。ビートの取り方など、いろいろ勉強になりました。

――イントロからワクワクするような楽曲ですよね。

鈴木雅之:本間の信条に「イントロ命」というものがあって。とにかくイントロを聴いた瞬間にワクワクするような曲にしたいねって話していたんです。

1960年代のR&Bなんてイントロのリフがスタンダードになっているものが多いじゃないですか。イントロを聴いただけで映像が浮かんでくるようなパワーを感じる。それを意識しながら作りました。

――曲の中で好きなパートはありますか?

鈴木雅之:振りでもアクセントとして入れますけど、サビの部分の手拍子。この2拍子のクラップがものすごく日本的なんです。いい感じで合わせることができるので、皆さんも一緒に楽しめると思いますよ。

鈴木愛理:やっぱり、鈴木さんとハモっているところ。聴いている時はもちろん、歌う時も男女の声のユニゾン感を楽しんでいただけると思います。ちょっとファンクな感じがいいんです。それと、サビはずっとハモっているんですけど、落ちサビだけ鈴木雅之さんのソロに。個人的に、この部分がすごく好きです。

鈴木雅之:「かぐや様~」のテーマ曲でもあるから、恋愛の駆け引きをしているような気持ちで歌ったり聴いてもらえたらうれしいですね。

――デュエット曲を歌う時は“駆け引き”がポイントに?

鈴木雅之:例えば映画が2時間のラヴストーリーだとしたら、デュエットソングは5分間のショートラヴストーリー。そこで繰り広げられる恋愛物語の案内人が、歌っているシンガーでありヴォーカリストなんです。

恋人同士のような気持ちで歌ったり、お互いに口説き合ったり。いろんな駆け引きを演じることで、ストーリーが見えてくるんじゃないかなと思います。

鈴木愛理マーチンさんの魅力は、やっぱり歌声」

――これまでに、いろんな女性シンガーデュエットされていますよね?

鈴木雅之:まぁ、うちには“マイソウルお姉ちゃん”鈴木聖美というクイーン・オブ・ソウルがいるんですけど(笑)、小学生の頃に子ども部屋のステレオの前で彼女と一緒に歌ったのが僕のデュエットの原点。マーヴィン・ゲイダイアナ・ロスのデュエットソングを聴きながら2人で歌っていましたね。

歌っている瞬間は鈴木聖美を通してダイアナ・ロス、鈴木雅之を通してマーヴィン・ゲイになっているような感覚が楽しくて。そういう音楽の遊びはとても面白かったですね。

まぁ、お姉ちゃん以外では、杏子、May J.BENIたちと歌ってきましたけど、僕と歌う時は自分の顔を見て歌いなさいって言いました。

――それは、どういう意味ですか?

鈴木雅之:僕のサングラスがミラー代わりになるんですよ。その“ミラー”に映った自分の顔を見ながら歌うと2人が見詰め合っているように見えるんです。

――おぉ~っ!

鈴木雅之:だから、愛理もミラーに映った自分の顔を見ながら歌うといいかも。

鈴木愛理:分かりました! ありがとうございます。

――今回の“共演”で感じたお互いのヴォーカリストとしての魅力は?

鈴木雅之:僕は愛理に会う前から、彼女のお父さんのことを知っていたんです。

鈴木愛理:あ、そうですよね。

鈴木雅之:世代的に“プロゴルファー鈴木亨”という存在は知っていますからね。やっぱり「鈴木」という同じ名字の人って気になるじゃない?

鈴木愛理:気になります。

鈴木雅之:名字が同じってものすごく大きい。今回も愛理と2人で“W鈴木”なんて言われていますけど、これもねDNAというか親に感謝ですよねお互いに。お父さんのことを先に知っていて、その娘とデュエットすることになるなんて「鈴木」という名字が結んでくれた縁のようなものを感じます。

鈴木愛理:私が思う鈴木さんの…、ちょっと紛らわしいですね(笑)。マーチンさんって呼んでもいいですか?

鈴木雅之:もちろんです。

鈴木愛理:ありがとうございます。マーチンさんの魅力は、やっぱり歌声。哀愁だったり、色気だったり、まだ25歳の私が聴いてもめちゃくちゃドキッとするぐらい言葉のメッセージが届くんです。

私はもともとファンクが好きということもあって、今回ご一緒させていただいて言葉のリズムの紡ぎ方など、学ぶことがたくさんありました。

鈴木雅之:今、愛理が「ファンクが好き」って言いましたけど、こういう子はそうそういませんよ。そこに僕は彼女の力を感じるんですよね。

プロゴルファーの娘らしく、常にナイスショットを完璧に打とうとする姿勢も好き。愛理は、これからがものすごく楽しみな女性ヴォーカリスト。早いうちに出会えてよかったです。

鈴木愛理:頑張ります!

鈴木雅之「また一つ自分の中での武器を持ったような気がします」

――さて、ここからは個別のリリース情報についてお伺いしたいのですが、まずは鈴木愛理さんから。4月22日(水)に発売されるライブDVD&Blu-ray「鈴木愛理LIVE PARTY No Live, No Life?」は、どんな内容ですか?

鈴木愛理:私は15年間アイドルをやってきて、2018年の6月にソロとして活動を始めました。そこからの約1年半はどんな風にステージに立つのか、何が正解なのか自分の中でずっと葛藤していたんです。

今回のDVDはそういう時期にやったライブの模様を収録。私のライブは歌って踊るということが基本だったんですけど、この時はダンスをやめて歌だけでファンの皆さんと同じ時間を過ごしてみたかったんです。

私一人で何ができるのか試してみたいなと。音楽を通して皆さんと一つになれたような気がして、とても感慨深いライブでした。自分の中で大きな心境の変化があったので、ぜひ見ていただきたいです。

鈴木雅之:さっき、愛理が「ファンクが好き」って言った話に戻りますけど、ファンクって音のリズムがメインの音楽なんです。だから、愛理自身も体を動かしてアピールしたいという気持ちがあるのかもしれない。

でも、それを封印して歌だけで勝負するステージをやったということは、やっぱり愛理も歌の力みたいなものを信じたんだと思うんですよ。そういう意味では、また一つ自分の中での武器を持ったような気がします。

鈴木愛理:ありがとうございます。そう言っていただけるとうれしいです。

――そして、鈴木雅之さんはニューシングル「DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理」と、デビュー40周年記念のアルバム『ALL TIME ROCK 'N' ROLL』が同日4月15日(水)に発売されます。アルバムにももちろん今シングル曲が収録されていて初回生産限定盤がCD4枚組、通常盤も3枚組40曲入りとボリューム感たっぷりですね。

鈴木雅之:今年はシャネルズから数えると40年。周年イヤーなんですよね。今回は40周年ということで好きなことをやりたいなと。

そう思った時に、R&Bのカバーとオリジナルが融合したようなシャネルズの1stアルバム『Mr. Black』の“II”を作ったら面白いんじゃないかなって。

そこから動き始めたんですけど、40年間でいろんな人たちと出会い、多くの協力を得ながら楽曲を作って、それを聴いてくださるファンの方に支えられてきたんだなっていうことを考えながらやっていたらとてもじゃないけど1枚じゃ収まらない。

グループ時代の楽曲を時系列で振り返るベストのマスタリングをやり直してみたりとか、やっぱり新曲も入れたいよなってどんどんアイデアが出てきて結局3枚組になっちゃったんです。

なおかつ初回生産限定盤には、僕が持っているグループ時代からの秘蔵ライヴ音源などを収録。この40年間の宝物みたいなものをみんなで楽しめたらいいなという思いが詰まっています。四六時中ロックンロールでいようよという意味を込めてタイトルを『ALL TIME ROCK 'N' ROLL』にしました。

自分自身も作りながら楽しめた作品ですし、そこに愛理も加わってくれてすごくうれしいですね。

鈴木愛理マーチンさんの40周年記念アルバムに参加できるなんて、もう「何ということが起きたんだ!」って感じでびっくりしています。人生は何が起こるか分からないなと改めて思いました(ザテレビジョン・取材・文=月山武桜)

「DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理」を4月15日(水)にリリースする鈴木雅之と鈴木愛理にインタビュー