新型コロナウイルスの影響で、卒業式や結婚式などの大切な行事を自粛せざるを得ない状態が続いているが、このほどイタリア新型コロナウイルスに感染、集中治療室で治療を受けている老夫婦が50周年の結婚日を祝う事ができた。医療スタッフの計らいによるものだという。『The Sun』『Metro』などが伝えている。

イタリアのマルケ州フェルモ市にあるムッリ病院で看護師をしているロベルタ・フェレッティさん(Roberta Ferretti)が今月10日、Facebookに投稿した写真が人々の心を温かくしている。そこには防護服を着た医療スタッフに囲まれた高齢の夫婦が、集中治療室のベッドに横たわりながら50周年の結婚記念日を祝う姿があった。

結婚記念日を迎えたのはイタリア在住のジャンカルロさん(Giancarlo、73)と妻のサンドラさん(Sandra、71)だった。夫婦は共に新型コロナウイルスに感染していたことにより、治療のために集中治療室で人工呼吸器を装着していた。

ロベルタさんによるとサンドラさんはいつも自分の身の心配より、夫のジャンカルロさんの心配ばかりして涙する日々を送っていたそうだ。一方のジャンカルロさんは「何年経ってもいまだに、どれほど妻を愛しているか」をロベルタさんにいつも話して聞かせてくれるのだという。

ロベルタさんは夫婦が今年50周年の結婚記念日を迎えることを知った時に「2人は記念日を祝うべきだ」と思い立ち、すぐに他の医療スタッフらと協力してケーキを手配し、夫婦のベッドを隣同士になるよう移動させた。

ベッドの近くに酸素タンクがあるためケーキのキャンドルに火をつけることはできなかったが、夫婦は小さなケーキを手に持ち、ジャンカルロさんのケーキには「5」の形のキャンドル、そしてサンドラさんは「0」のキャンドルが立てられており、夫婦は嬉しそうに2つのケーキを並べて50周年の結婚記念日をお互いに祝っていた。

またウエディングマーチが流れる中、夫婦はベッドに横たわったままでお互いにしっかりと手を握り合っており、その周りで医療スタッフらが両手でハートマークを作っている。ロベルタさんは当時をこのように振り返った。

「それは素晴らしい瞬間でした。とても美しかったんです。私達が今まで払って来た犠牲も、この瞬間によって全て報われました。ジャンカルロさんはどれだけサンドラさんを愛しているかを繰り返し口にしていました。思わず私達は感極まって涙してしまいました。」

またロベルタさん達はこの時の写真を夫婦の子供達にも送ったところ、彼らは非常に感謝していたそうだ。地元メディアによると、その後夫婦の容体は回復しており、一緒に退院できる見込みとのことだ。

画像は『The Sun 2020年4月14日付「‘STILL IN LOVE’ Elderly Italian couple in coronavirus intensive care celebrate golden wedding anniversary by holding hands」(Credit: Newsflash/Roberta Ferretti)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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