仙台臨海鉄道 仙台港駅で、火を落として荷積みを待つ SD55形ディーゼル105号機の脇を歩き、駅の東側、第2北幹線踏切に立つ。

「KD-55-105号機は、仙台復興という重責を背負って新たな旅立ちをします」

SD55 105 は、もと京葉臨海鉄道 KD55 105 でもと国鉄DD13。東北大震災で機関車を失った仙台臨海鉄道の運用再開にあわせ、大宮工場で仙台臨海鉄道むけに仕立てて移籍したくるま。

タンク車が連なるヤードの先、陸前山王駅につながる信号は、すべて赤。

「仙台臨海鉄道機関区」と記された機関庫の前には SD55 103 の姿。仙台臨海鉄道が発注したくるまで、こちらも火を落として休んでいる。

新潟鉄工所がつくった SD55 103 に手を振り、多賀城リサイクルセンターを右にみて、がれき処理施設を左右に見ながら仙塩街道へと歩く。

北風が運ぶ砂ぼこりが、パチパチパチと身体にあたる。人ひとりいない道を20分ほど歩くと、やっとイオンや万代といった看板が見えてくる。

仙塩街道へやっとたどりつくと、多賀城界隈の街の日常にやっとありつく。街道沿いには半田屋

仙台港駅から1時間ほど歩き、やっと人の営みを感じる集落に入ってホッとしたからか、いろいろ手が伸びた。

Googleマップを見ると、ここ半田屋から仙石線 多賀城駅まで徒歩10分。

西日がさす半田屋で、帰りの最終新幹線を確認し、2軒め、3軒めの目星をつける。

空き缶と食器を返し街道から駅へと歩く。「波来の地」の石碑と向かい合い、鎮守橋に立つ。

おだやかな砂押川の川面のむこうに、乗るはずだった仙石線電車の灯りが見えた。