このほど中国で密猟グループによる野生動物の死骸を警察が押収したが、その数が13000体以上もあったことでメディアの注目を集めた。密猟者らは販売目的のために野生動物を殺していたが、小型哺乳類の動物の死骸もあったため新型コロナウイルスを拡散させるのではないかという懸念もあったようだ。『Daily Star』『捜狐』などが伝えている。

中国吉林省の吉林市白石山森林公安局が、4か月間に渡る捜査により密猟グループの摘発に成功した。彼らは昨年11月から綿密な捜査を進めていたという。

当局は捜査を進めていく中で不審な車があることに気づき、運転手(名前はリュウとだけ伝えられている)を呼び止めて車内を確認したところ、袋に詰められたイノシシの死骸が見つかった。これをきっかけにリュウの自宅を捜査したところ、冷凍庫の中から13000体以上の野生動物の死骸が発見された。

その中には中国国家一級重点保護野生動物に指定されているクロテンやエゾライチョウもあり、他にもワシミミズクフクロウなどの死骸が全て当局によって押収された。

また野生動物の死骸には撃たれた痕が残っており、当局はゴム銃(パチンコ)、鉛弾、7丁のエアガンなど505点を押収し、密猟に加わった27人の容疑者を逮捕した。

リュウは「野生動物は販売目的で殺し、後にエアガンなどは他の密猟者に売るつもりだった」と供述しているが、当局では違法な野生動物の売買のルートについても捜査を進めている。

『Daily Star』によると、中国の最高研究機関である中国工程院が2017年に調べた調査で野生動物産業はおよそ600億ポンド(約8兆750億円)の市場規模があるとのことだ。

中国では今年2月、新型コロナウイルスの感染拡大が著しい時期に野生動物の食用および国内の売買取引が全面的に禁止された。これは湖北省武漢市の華南海鮮市場で販売されていた野生動物が、感染源になった可能性が指摘されたためである。

しかし残念なことに、中国が新型コロナウイルスの収束が見え始めた先月28日に中国南部の桂林と広東省東莞市の屋内市場で野生動物の販売が行われている現場を英メディア『Daily Mail Online』の特派員が目撃しており、海外から非難の声があがっていた。

画像は『捜狐 2020年4月14日付「13410件野生动物死体及制品铺满整个院子,吉林省森林公安破获特大非法狩猎案」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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