新型コロナウィルス感染拡大の対策として、公共交通機関の混雑緩和が有効とされています。そのため、首都圏など緊急事態宣言が出された地域を中心に、オフピーク通勤やテレワークが導入されました。その結果、会社員のライフスタイルにも変化が生まれています。(Misa)

新型コロナで加速したテレワーク導入

世界規模で新型コロナウィルスが流行し、オフピーク通勤やテレワーク導入が一気に加速しています。東京を中心とする首都圏では、もともとオフピーク通勤やテレワークを導入する方向で準備を進めていた事業者もあり、比較的スムーズに対応できたのかもしれません。

テレワークの最大のメリットとして思い浮かぶのが通勤時間の削減です。
たとえば、東京都内に通勤・通学しているのは、主に東京都千葉県埼玉県神奈川県の在住者と考えられます。平成28年の総務省の調査によると、これら一都三県の平均通勤・通学時間はそれぞれ、神奈川県1時間45分、千葉県1時間42分、埼玉県1時間36分、東京都1時間34分となっています。つまり、1時間34分~1時間45分の時間が自由に使えるようになるのです。外出するための身支度や準備の時間を含めれば、2時間以上とも考えられます。テレワーク導入により、会社員のライフスタイルが変化することは明らかです。

テレワークから家庭不和?!

テレワークによるライフスタイルの変化は、残念ながら良いことばかりではないようです。
まず、通勤で保たれていた生活のリズムが崩れてしまう可能性があります。長期の休み明けなどに何となく体調がすぐれないことがありますが、それに近い状態です。

また、通勤によって意識せずに歩いていたぶんの運動量が減少し、運動不足にもなりやすいです。また、通勤せずに家の中で仕事をしていると外出の機会が減り、運動量はますます低下していきます。運動不足が慢性的になってくると、肥満や生活習慣病のきっかけとなる可能性もあります。

さらに、家での過ごし方にも注意が必要です。テレワークは本人だけでなく、家族にとっても大きな変化です。たとえば、会社や学校に送り出した後、自分のペースで家事を進められたのが、在宅で仕事をされれば気も遣いますし、食事の世話を考えなければならないこともあります。実際、夫の在宅勤務がストレスになっているという主婦の声を耳にします。定年退職後の熟年離婚も、夫が会社に行かなくなることが一因となっているようですから、在宅勤務のストレスが家庭不和へと発展する可能性はあります。最低でもテレワークで浮いた通勤時間に相当する程度は家事や育児の分担を増やし、家族のストレスにならない配慮は必要でしょう。

緊急措置的なテレワーク導入だからこそ、見えてくるもの?

新型コロナウィルスという非常事態により、テレワーク導入に消極的だった中小企業が、緊急措置としてテレワークに対応している例もあるようです。通勤交通費やオフィス経費の削減など企業側にもメリットはあり、必要に迫られる形でテレワークを実現したことがオフィスワークに対する考え方を変化させるきっかけとなるかもしれません。

まずは、新型コロナウィルスという災禍が収まり、社会が正常に機能できる状態に戻っていくことが先決です。そして、その後に少しでも感染症リスクの低い働き方や、必要ではない会議の合理化など、テレワークの長所を取り入れ、短所が改善できるような取り組みができればよいと思います。

多くの事業所にとって、テレワークの経験値はまだ多くありません。働く際のセルフマネジメントや、ワークライフバランスの心がけなど、どのような意識でテレワークを実施していくとよいのか。今後の本格導入に向けて、必要なことの洗い出しが進んでいくことでしょう。

新型コロナウィルス流行でテレワーク導入が加速! 生活面で注意すべきポイントとは