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細菌性髄膜炎を患い四肢を失った25歳の女性が、義手を使ってメイクする様子をSNSに投稿し話題になっている。YouTubeチャンネルの再生回数はこれまでに1600万回を超えており、彼女の明るく前向きな姿は多くの人に希望を与えているようだ。『Metro』『Barcroft TV』などが伝えた。

アメリカ南カリフォルニア在住のケイトリン・ドブロウさん(Kaitlyn Dobrow、25)は2013年、18歳の時に細菌の感染によって髄膜に炎症を起こす「細菌性髄膜炎」を患った。6か月の入院を強いられたケイトリンさんはその間、22回の手術に耐え、四肢の大部分を失った。

ケイトリンさんは入院する前日に友人とパーティに出かけたが、激しい頭痛に襲われ途中で帰宅していた。そしてその晩に高熱、腹部膨張感、嘔吐で苦しみ、翌朝トイレに行くとその場で倒れ込んだ。ケイトリンさんはこの時、これが自分の脚で立つ最後の日になろうとは思いもしなかった。

それから12時間以内のうちにケイトリンさんの身体は紫色に変色し、容態は急激に悪化した。細菌が血流を介して拡がり、四肢への血流が途絶えたケイトリンさんは、身体の痛みや腫れが酷くショック状態に陥った。医師らはケイトリンさんの命を救うため、壊疽で黒く変色を起こした部分を切断せざるを得ず、手や脚は手術のたびに短くなっていった。こうして退院するまでに22回の手術を受け、四肢の大部分を切断されたケイトリンさんは、損傷した部分に移植するため皮膚の57%を失った。

その後リハビリを続けて義肢をつければなんとか生活できるようになったケイトリンさんは、幼い頃から好きだったメイクアップを通して少しずつ自分を取り戻していった。そして入院から約3年が経った2016年6月、YouTubeに初めてメイクのチュートリアル動画を投稿し、その後ビューティブロガーとして確実にファンを増やしていった。ケイトリンさんは、メイクについて次のように語っている。

タップダンスをしていた私はヘアをアレンジしたり、真っ赤なリップを付けるのが好きだったの。入院中もメイクのチュートリアルのYouTubeを見ていて、これなら私にもできると思ったわ。自分も楽しめるし。」

「四肢を失ってから自分を受け入れられるようになるまでは、長い時間がかかったわ。時間が経つにしたがって『今までの自分とは違う』ということをリアルに感じるようになったの。」

「YouTubeやInstagramにメイクをする自分の姿を投稿するのは大好きだわ。だって私が得意なことだし、前向きになれるから。それにメイクの仕方を教えることで、他の人の助けもなるでしょう。落ち込んでベッドから出られない人たちには、私を見てもらって『メイクをしたい』と思えるようになったら嬉しいわ。」

現在ケイトリンさんのInstagramフォロワーは13万5千人超で、YouTubeのチャンネル登録者数は24万6千人を上回っている。ケイトリンさんは自分のことを「昔から生意気な子だったのよ。今も変わらないけどね」と語っており、明るく陽気なキャラクターに多くの人が魅了されているようだ。

そんなケイトリンさんについて、兄イーアンさん(29)は「決して諦めないで、目標を決めて必ず乗り越えていくところがすごいと思う」と褒め、母キャシーさん(64)は「ケイトリンに四肢がないことを忘れちゃうのよ。だってちっとも不平を言わず、なんでも自分でやっちゃうんだもの」と笑う。また父ドナルドさん(65)は「つらい経験をしてきたけど、あの子はハッピーで、強くて、素晴らしくて、美しい子だよ。心から尊敬しているんだ」明かしている。

画像は『Metro 2020年4月19日付「Woman who lost all her limbs at 18 uses prosthetics to become a brilliant makeup artist」(Picture: Barcroft)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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