2001~06年に在籍し、UEFAカップ制覇やCL予備予選でのゴールなど充実の時を過ごす

 元日本代表MF小野伸二FC琉球)は、自身初の海外移籍となったオランダ1部フェイエノールトUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)制覇に貢献するなど、輝かしい時間を過ごした。不惑を迎えたファンタジスタにとってもその経験は何物にも代え難いようで、「最高の思い出」というコメントをオランダメディアが伝えている。

 1998年浦和レッズでプロデビューを飾った小野は、4年目の2001年にオランダフェイエノールトへ移籍。すぐさまスタメンに定着すると、UEFAカップ制覇に貢献。翌年にはチャンピオンズリーグ予備予選で2ゴールを挙げ、本選出場に導くなど、主力として君臨した。2004-05シーズン以降は故障が増え、疲労骨折も経験。06年1月に浦和へ復帰することになった。

 オランダサッカー専門誌「Voetbal International」は、フェイエノールトを退団した後も日本、ドイツオーストラリアプレーを続け、現在はJ2の琉球に所属する小野に注目。「オノはすでに40歳を超えている。それでも彼はキャリアの歩みを止めない」と触れつつ、「僕はまだフットボールさよならは言えない」という小野が現役を続ける理由を語ったコメントを紹介している。

 また、記事では浦和へ復帰した2006年1月の決断を小野自身が回顧しており、ワールドカップ出場の目標が理由の一つだったという。

「もし健康だったら別のキャリアを歩んでいたかもしれないけど、ベストを尽くしました。僕はドイツワールドカップを見据えて、フェイエノールトを離れた。浦和で健康を取り戻してドイツに行きたいと思っていた。それが上手くいって、ワールドカップに行くことができました」

「もしフェイエノールトが経験のあるMFを必要とするなら、すぐに飛行機に乗るよ」

 ただ、長いキャリアのなかでもフェイエノールトは小野にとって特別な場所のようだ。オランダでの4年半をこのように振り返っている。

フェイエノールトでの時間、特にUEFAカップ優勝の年は最高の思い出として残っています。その後、そのタイトルがどれだけ価値があるものなのか理解しました。僕にとって国外での初の挑戦、最初の大きなタイトルだったので。(移籍当初は)英語もオランダ語も話せなかったけど、ロッテルダムのファンは僕を歓迎してくれた。デ・カイプ(フェイエノールトの本拠地の愛称)には日本国旗も掲げられていて、すぐにホーム(日本)のように感じられました」

ロッテルダムに戻って、友人たちに会いたい」という小野は、「もしフェイエノールトが経験のあるMFを必要とするなら、すぐに(オランダ行きの)飛行機に乗るよ」と冗談も交えながら“フェイエノールト愛”を語っていた。(Football ZONE web編集部)

フェイエノールトで活躍したMF小野伸二【写真:Getty Images】