精神的に辛い時は、何とかこの状況から抜け出したいと思いますよね。そもそも私たちは、なぜ精神的に辛いと感じるのでしょうか。
その心理的なメカニズムを紐解きながら、追い詰められた心を楽にするための方法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
■人が精神的に辛いと感じるのはどんな時?
私たちが精神的に辛いと感じるのは具体的にはどのような時なのでしょうか。いくつか例を挙げるのでチェックしてください。
◇(1)職場に苦手な人がいる時
上司など、仕事で関わる必要があるのに苦手な人がいる場合は困ってしまうものです。
自分のやることなすことに、いちいち文句を言われたりすると、常に見られているのでは……というプレッシャーから大きなストレスになります。
自分は苦手なのに、他の人はうまく接していたりする場合も、「何で自分だけ」と感じてしまうでしょう。
◇(2)オーバーワーク気味
残業したり休日出勤をしたりといったことが積み重なると、体が疲れるのはもちろんのこと精神的にもモチベーションが低下していきます。
結果を求められているのに、応えられないような状況が続けばなおさら辛く感じるものです。
また、自分で抱え込み過ぎて助けを求めることができないと、どんどん精神的に追い詰められていくことになります。
◇(3)彼とコミュニケーションが取れない
彼氏がいても、コミュニケーションがうまく取れずにすれ違いが続くと辛くなってしまいます。彼に遠慮して本音が言えないでいると、振り回されてしまうことも。
一つ一つは小さなことでも、積み重なってくると大きなすれ違いになり、しんどく感じるようになるでしょう。
◇(4)彼と別れ話になった
関係がうまくいかず別れることになった時は、別れを言い出す側であっても、言われる側であっても辛いものです。
これまでの積み重ねから、話し合いがスムーズにいかず、こじれてしまうことも少なくありません。別れたくないという思いの分だけ傷つき罪悪感を抱えることになります。
◇(5)家族と揉めている
家族とは、近い間柄であるだけにトラブルになると厄介です。
親が子どもの罪悪感を刺激してコントロールしようとしてくるようなケースでは、ちょっとしたやり取りをするだけでも精神的な負担になります。すると、親のことが頭から離れなくて辛い思いを抱えてしまうでしょう。
■精神的に辛いと感じる心理的な5つの理由
辛いと感じる時は、それなりの心理的な理由があるものです。私たちが辛いと感じる主な理由を挙げてみました。
◇(1)自分を責めてしまうから
しんどくなっている時は、たいてい無意識のうちに自分のことを責めています。
うまくいかなかった時に、「私なんてダメだ」「他の人は上手にやっているのに、それに比べて私は」と考えてしまうと、ただでさえショックを受けている自分に追い打ちをかけることに。
◇(2)希望が見えないから
今がうまくいかないだけでなく、将来にも明るい兆しが見えない時は、余計に落ち込んでしまうものです。
希望があれば頑張ろうと思えますが、「やっぱり無理かもしれない」と自信を失い始めると、どんどん不安に駆られて抜け出せなくなります。
◇(3)理解してくれる人がいないから
自分を理解して受け止めてくれる存在がいることは、精神的な安定に大きく影響します。自分で自分のことを認められない時に理解者がいないと孤独感が増してしまいます。
◇(4)自己嫌悪に陥ってしまうから
「うまく振る舞えない自分が嫌い」「こんなふうにクヨクヨ悩む自分も嫌だ」など、自己嫌悪に陥ってしまう時も精神的に辛くなります。
自分が嫌い、というのは強烈な感情です。長所のない人はいないはずですが、そういった時は自分の嫌いな部分にばかり目が向きやすくなります。
◇(5)罪悪感から人を遠ざけてしまうから
私たちは社会的な生き物なので、本能的につながりを求めています。
ところが、色々なことがうまくいかず自分はダメだという気持ちが強くなると、休日に人に会いたくなくなったりして、自ら人を遠ざけようとする心理が働きます。
しかしつながりは本能的な欲求なので、周りとのつながりが断たれてしまうことでますますしんどくなってしまいます。
■追い詰められた心が楽になる5つの方法
精神的に辛くなった時はどうやって対処すればいいでしょうか。心理面と行動面からいくつか方法をご紹介します。
◇(1)自分を責めてしまっても「まぁ仕方ない」と受け入れる
精神的に辛くなっている時にやりがちなのは、「自分にダメ出しをしている自分を嫌う」こと。「自分を責めるのは良くないから止めよう」と思っていても、ついついダメ出しをしてしまうことってあるものです。
それに対して「またダメ出しをしてしまった!」と反応していると終わりがないので、そういう自分を丸ごと許してあげましょう。
「あ、またやっちゃった。しょうがないよねぇ」と、ゆるく受け入れておくと、次第に気持ちが楽になっていきます。
◇(2)信頼できる人に相談する
一人で悩んでいてもなかなか解決しない時は、信頼できる人に話してみるのがおすすめです。もし周りに理解者がいないのであればカウンセラーを頼ってみましょう。
自分の気持ちを言葉にすることで、心の中が整理されていきますし、自分にはない発想が得られるかもしれません。
仕事で悩んでいて今の部署がどうしても合わないのであれば、上司などに異動の相談をしてみるのもありですね。
◇(3)いつもより丁寧な生活を心がける
精神的に辛い時は、生活リズムが乱れがち。自分にダメ出しをしていると、自分の扱いが雑になりやすいので、「いつもより丁寧に」を意識するといいですね。
落ち込んでいる時は、自分の好きな食べ物を食べましょう。買ってきたものでも、きちんとお皿に盛るといいですね。
そして寝る時は、お気に入りのかわいいパジャマを着ます。お風呂に入る時もいつもより丁寧に体を洗いましょう。
物理的に自分を丁寧に扱うことで、潜在意識に「自分を大切にする」という感覚が染み込んでいきます。
◇(4)好きな音楽を聞く
ふと流れてきた音楽を耳にして癒されたことがある人は多いのではないでしょうか。音楽は心身の緊張をほぐしたり、癒したりする効果があるといわれています。
自分の気分に応じた音楽を聞くことで、元気が出てくるかもしれません。音楽以外にも、YouTubeにたくさん動画がUPされていますので、好きな動画を見るのもいいですね。
◇(5)自分で自分の頑張りを認める
精神的に辛い時は、自分のことを責めて否定しています。でも深層心理では、本当はそんな自分を受け入れてほしいと思っているため、「自分で自分を認めてあげる」と効果的です。
失敗したことがあっても「それでも、今まで頑張ってきたよね」と自分に声を掛けてあげましょう。
口に出して言うと、より潜在意識に染み込みやすいのでおすすめですよ。ホッとする感覚がしてくればOKです。
自分なりの心を軽くする方法を見つけて
精神的に辛い時は、誰しもあるものです。
そんな時に、自分がなぜ辛い思いをしているのか、心理的なメカニズムを理解し、その混乱した気持ちに対処できるようになっていけば、何かあっても「まぁ何とかなるだろう」と思えるようになります。
ストレスを緩和するための方法はいろいろとありますので、自分に合ったものを見つけていきたいですね。
(高見綾さん)
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