シント=トロイデンは、全選手の報酬減額に関して合意に達したことを発表した。

ベルギーでは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けてジュピラー・プロ・リーグがシーズン途中で終了。現在もチーム活動は行われていない状況のため、今回の決定に至ったとのことだ。

選手たちは4月分の給与が減額されることになり、その一部は新型コロナウイルス感染症対策への支援としてシント=トロイデン病院に寄付することが決定した。なお、今回の寄付は、医療用マスク、PEEPバルブ、医療用ガウンの製作費用にあてられる予定とのことだ。

クラブは「新型コロナウイルス感染症対策に対する広範への支援が必要であるとともに、緊急事態において最前線で戦っているシント=トロイデン病院で働く方の安全に寄与できればと考え、今回の支援を決定いたしました」と今回の決定の経緯を発表している。

シント=トロイデンには、日本代表GKシュミット・ダニエル、DF松原后、FW鈴木優磨、MF伊藤達哉と4名の日本人選手が所属している。また、シント=トロイデンの街は、高齢者人口も多く、ベルギー国内でも感染者、死者数が多いエリア。今後もシント=トロイデン市内の病院で不足している医療機器の製作費用の支援など、チームとして継続的にサポートしていく予定とのことだ。

今回の決定について、キャプテンのジョーダン・ボタカがコメントしている。

「現在の世界的な緊急事態は、STVVだけではなく、世界中の人々で一致団結して解決する必要があると気づきました。僕たちが生活をしていて、本拠地としている市がベルギーの中でも大きなダメージを受けているのを見て、どうにかして助けられないかと考えました。そこで、選手たちの給与分からシント=トロイデン病院へ寄付することを皆で決めました」

新型コロナウイルスと最前線で戦っている看護師、医師をはじめとする医療従事者の皆さん、苦しんでる患者の皆さんを少しでもサポートできればと思います。皆でこの状況を乗り越え、強くなって戻ってきたいと思います」

また、飯塚晃央CFO(最高財務責任者)もコメント。選手への感謝を語るとともに、地域住民への支援を続けていくとしている。

「世界中でコロナウィルスの危機的状況が続く中、ベルギー国内はロックダウン状態が1か月以上継続し、我々STVVも試合を開催することができず歯がゆい思いをしています。この状況下でSTVVが社会・地域に還元できることは何かと考えを進めて行く中で、現場の最前線に立って奮闘されているシント=トロイデン病院への支援をさせていただくこととしました。賛同いただいた選手の方々には感謝申し上げます」

「我々は引き続き一致団結してこの局面を乗り越える努力を人々に呼び掛け続けるとともに、こういった時にこそサッカークラブとして地域や、そこに住む人々に対してできうる支援を引き続き行ってまいります」

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