何が起きているのか?

 

 

北朝鮮トップ金正恩氏の「重体説」が世界中を駆け巡っています。

ネット上やSNSでは「金正恩死亡」という限りなく疑わしい情報まで出回っています。

事の発端は4月21日アメリカCNNが、「米当局が、北朝鮮金正恩委員長が手術後に危険な状態にあるという情報を注視している」と伝えたことにあります。

その前日には、韓国のデイリーNKが北朝鮮内部の消息筋の話として、「金正恩氏が最近、心血管系の手術を受け、現在も地方の別荘で治療を受けている模様だ」と報じていました。

そこから、「重体説」や「脳死状態説」、はては「コロナ感染説」や「死亡説」まで、あらゆる真偽不明の情報が錯綜しているのです。

北朝鮮の医者が緊張のあまり手を震わせて、手術を失敗した

そんな具体的な“噂”まで出ていることを考えると、「何かしら」が、金正恩氏の身に起こったことは十分に考えられるでしょう。

 

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実際、金正恩氏は4月11日に平壌で開催された党政治局委員会議を最後に動静が伝えられていません。4月12日の最高人民会議を欠席し、北朝鮮建国の父であり、金正恩氏の祖父である金日成主席の誕生日4月15日)に、これまで必ず参拝していた錦繍山太陽宮殿に姿を見せませんでした。

いずれにせよ、国の最高権力者とはいえ、まだ36歳の若さです。その身体的な問題によって、最高権力の座を失う可能性があることなど、誰が予想していたでしょうか。

しかし、時として、誰よりも守られるはずの「最高権力者」が、いとも簡単に「消える」ことはあるのです。

 

それが「暗殺」です。

 

遡ること半世紀以上前、1963年11月22日、世界のトップともいえるアメリカ大統領の座に46歳の若さで就いたJ・F・ケネディが、ダラス市内のパレード中に凶弾に斃れました。

犯人はリー・ハーヴェイオズワルドオズワルドは白昼堂々、リムジンに乗るケネディ大統領の後頭部をライフルで銃撃し、即死させた「単独犯」として逮捕されました。

しかし、オズワルドは犯行を否認しており、また、目撃者の証言とも辻褄が合わないこともあり、半世紀以上たった今でも「真犯人が他にいる」という説は多数あります。

いずれにせよ、「戦争」でも「革命」でも「クーデター」でもなく、「暗殺」によって、時の最高権力者が、一瞬にして「消えた」わけです。

ただ、「暗殺」は必ずしも成功するわけではありません。

 

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噂とは言い切れない…

 

この日本でも「最高権力者」の暗殺を狙った事件がありました。

日本国民の象徴として「人間宣言」をする以前、大日本帝国の国家元首・大元帥であった昭和天皇の暗殺を狙った事件が起きたのです。通称「桜田門事件」です。

1932年1月8日昭和天皇の行幸の帰り、皇居・桜田門警視庁庁舎前に差し掛かった御料馬車に対して、突然、沿道に飛び出した男が手りゅう弾を投げつけたのです。

暗殺を謀った犯人は、大韓民国臨時政府の抗日武装戦線「韓人愛国団」に所属していた李奉昌です。

りゅう弾は二両目の御料馬車の左後輪付近で炸裂しました。しかし、昭和天皇が乗車していた御料馬車は三両目、危うく難を逃れることができたわけです。

「暗殺未遂事件」の犯人として逮捕された李奉昌は、あえなく「大逆罪」で死刑になりました。

「暗殺」とは、正攻法では成し遂げることのできない「殺人」として、万に一つでも可能性があれば、時の最高権力者に牙をむく「最後の手段」なのです。

 

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ひるがえって現在の北朝鮮の情勢を見たときに、新型コロナウイルスを警戒して国境を封鎖し、国家の苦しい経済状態はより厳しくなり、それでもミサイルを飛ばし続けて軍事費はかさみ続け、国民が飢えていくのではないでしょうか。

そこで現実的に対外国との「戦争」や、軍部の「クーデター」や、ましてや国民の「革命」など考えられないときに、最後の手段…「暗殺」が起こらないと誰が言い切れるでしょうか。

そもそも金正恩氏が絶命したとしても、その事実を、我々はどこまで知ることができるのでしょう。

その生死さえ確認できないほど、情報が錯綜している状況で、金正恩氏がこの世を去ったとしても、死に至った原因が何の「病気」なのか、「事故」なのか…それとも「暗殺」なのか…はたして我々に見極めることはできるのでしょうか。(文◎編集部)

 

写真提供=朝鮮中央通信