初産と比較すると第2子以降の分娩はスピードが早いと言われるが、早すぎるのも困りものである。自宅で陣痛が始まったイギリス在住の40代の女性は、夫の運転で病院へと向かったのだが、第2子の出産は実にドラマチックな展開となったようだ。『The Sun』などが伝えた。

イギリス西部ブリストル近郊の村ヤットン在住のマリー・ヘッドさん(Marie Head、40)は今月19日、友達数人とビデオ通話を楽しんでいる最中に激しい陣痛に襲われた。マリーさんブリストル北部のサウスミード病院に勤務する看護師で、その日は娘ソフィアちゃん(2)と夫イリアンさん(Ilian、43)と3人で自主隔離中だった。

第2子の出産ということもあり「ゆっくりしている余裕はない」と感じたマリーさんは、救急車を呼ぼうとしている夫に「とにかく病院に急いで」とお願いし、ソフィアちゃんをフォード車の後部座席に押し込むと助手席に乗り込んだ。

マリーさんは、その時のことをこう振り返っている。

「力んだらすぐに産まれそうな、そんな陣痛でした。夫は猛スピードで車を運転する一方で、後部座席で冷静さを失ったソフィアの様子を気にかけ、落ち着かせようと声をかけていたようです。」

ソフィアは私を見てショック状態だったのでしょう。今起きていることが信じられないといった様子で、目を大きく見開き固まっていました。」

「私はというと、病院まで我慢ができず、助手席で赤ちゃんが産まれてしまったのです。車のスピードは半端なく右に左に揺れていたので、赤ちゃんが出てきた時はホッとしたのを覚えています。あの状態で出産できたのは奇跡的ですよ。」

実は病院へ向かう途中、イリアンさんは赤信号を何度も無視し、2台のパトカーの追跡を受けていた。車のスピードは時速145キロに達しており、イリアンさんはクラクションを鳴らしながらブリストルのセント・マイケルズ病院に到着するまでの約16キロ(10マイル)を警察に捕まることなく走り抜けたのだ。

イリアンさんは、このスリリングなカーチェイスについてこのように語っている。

「警察に追われているのはわかっていましたよ。でもそんなことは気にしていられませんでした。頭の中は妻と赤ちゃんのことでいっぱいでしたからね。とにかく早く病院へ行かなければと必死でした。」

「病院に到着すると、私の車はパトカーブロックされました。私は両手を挙げて車を降り、こう叫んだのです。『妻が赤ちゃんを産んだんだ』とね。

なおイリアンさんを追跡していたエイボン・サマーセット警察のスポークスマンは、メディアのインタビューに「午後5時25分、パトロール中の車がハザードランプを点滅しながら赤信号を無視するフォード車を発見しましたが、女性が車の中で出産したことを確認したため、逮捕には至っておりません。親子が無事であることを祈っています」と述べている。

夫妻によると、赤ちゃんは3316キロの元気な女の子でイリナちゃん(Ilina)と名付けて可愛がっているという。

画像は『The Sun 2020年4月24日付「EXPRESS DELIVERY Nurse gave birth during police chase as her ­husband drove her to hospital at up to 90mph」(Credit: Andrew Lloyd)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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