世界中で多くのレストランやカフェといった人々が集う場所が一時閉鎖を余儀なくされている。そんな中でオーストラリアのあるレストランが、店内に人が違法に集まっているとして警察に通報されてしまった。しかし駆けつけた警察官が店内で目にしたものは…。『10 daily』『WSFM 101.7 Sydney』などが伝えている。

オーストラリアでは3月18日に非常事態宣言が発令され、同月23日の正午からロックダウンが始まった。街ではパブやクラブ、映画館などが閉鎖されたほか、飲食店はテイクアウトのみの営業が許可された。クイーンズランド州ニュー・ファームにあるモダン欧州料理のレストラン「Continental Cafe」も同様に、テイクアウトのみの営業を続けていた。

そんな中、同レストランのオーナーであるボウ・ダウンズさん(Beau Downs)は、隣の美容室がいくつかのマネキンの頭部を廃棄しようとしていることを知り、娘の遊び道具に使うため譲ってもらうことにした。しかしボウさんには別の考えが浮かんだ。テーブル席にお客が座ることのない殺風景な店内を、少しでも活気があるように見せたいと思ったという。

マネキンの頭を各テーブルの上に置き、まるでお客がテーブル席にいるようにディスプレイしたのだ。ボウさんは「誰だって殺風景なレストランは好きではないと思うんです。それがコンセプトの全てでした」と語っている。そして先月20日にマネキンのいる店内の写真をFacebookに投稿したところ、ちょっとしたレストランの宣伝になったようだ。

このアイデアに、マネキンを提供した美容室オーナールーク・レイノルズさん(Luke Reynolds)は「いやぁ、素晴らしいと思いますよ。私達にとって不要になったものを誰かが利用して利益を得ることができるのであれば、それは素晴らしいことですね」とボウさんを称賛した。

ところがこのマネキンがちょっとしたハプニングをもたらした。ある日の夜、警察官がレストランの外でライトをつけたまま警察車両を停車させ、店内をうかがっていた。ボウさんは躊躇しながらも警察車両へと近づき、特に後ろめたいことは何もないことを伝えた。

どうやら誰かが店内にいるマネキンの頭を本物の人間だと勘違いし、非常事態宣言を無視してレストランに人が集まっていると警察に通報したようだ。警察官らは誤解だと分かったあと、店内のマネキンを見て笑っていたという。

警察に通報されたことについて、ボウさんは気分を損なうこともなく「レストランに関心を持ってもらうため、ちょっとした話の種のつもりでした」と語っており、一刻も早くマネキンではなく本当のお客に店内で食事をしてもらう日が来ることを待ち望んでいるとのことだ。

なおオーストラリアでは、徹底した外出禁止などが功をなして感染拡大が抑えられている。ボウさんのレストランのあるクイーンズランド州では、今月2日から外出禁止令が緩和された。これにより人々は自宅から50キロメートル以内の公園を訪れたり、ピクニックを楽しむことができるようになったという。

画像は『10 daily 2020年4月30日付「Police Called After Mannequins Mistaken For Social Gathering」(Image: 10 News First)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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