香港メディア・亜太日報は3日、新型コロナウイルスの感染拡大が一時鈍化していた北海道で再び感染者が増えていることなどを紹介し、「アジアの感染防止対策は、今なお緩めるべき時ではない」とする記事を掲載した。

 記事は、2月に新型コロナウイルスが日本に襲い掛かった際真っ先に緊急事態宣言を出し、学校を休校して外出自粛を要請して感染拡大を抑え込み、その「成功モデル」と見なされてきた北海道で再び感染者が増加しており、早めに緊急体制を緩めたことが理由の一つとの見方が出ていることを伝えた。

 そして、日本の専門家からも「政府のリスク判断基準は外国からの流入に偏っており、国内の人の流れがウイルスを運ぶ可能性については認識されていなかった。北海道の状況は、ウイルスが非常に危険であることを示しており、たとえ第一波の感染が抑えられたとしても、その成功に満足してはいけないのだ」との認識が出ていると紹介。第二波は第一波よりも深刻化する可能性があり、抗体を持った人たちも再び感染する可能性すらあるとしている。

 また、日本だけでなくベトナムでも感染の第二波に対する警戒が高まっているとし、現地の専門家が「ソーシャルディスタンスは必ずしもこの疾病自体やコミュニティ内での感染を完全に消し去るわけではない。あくまで感染者と非感染者の接触を減らし、ウイルスの感染を制約するに過ぎないのだ」と述べるなど、世界に約40%の無症状感染者がいることからコミュニティ内に感染者がいないとは言い切れない状況であり、ワクチンや特効薬がない状況では制御不可能な「第二波の感染」が発生する可能性があるとの認識が広がっていることを伝えた。

 記事はさらに、感染を抑え込んだとみられる中国についても「油断はできない」と指摘。黒龍江省ハルピン市では現地時間3日0時現在で治療中の感染者が50人、無症状感染者が18人いるほか、2日の1日で発熱により外来診療を受けた人は217人、感染の可能性があるとして医学観察を受けている人が1925人いることを紹介し、「これは中国に対する警鐘だ」としている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

「お手本」だった北海道が感染者再増、今はまだアジアのコロナ警戒を緩める時期ではない=香港メディア