AIスマートグラスで体温を遠隔チェック

AIスマートグラスで人々の体温をチェックする警備員 image credit:Rokid

 コロナパンデミックもひと段落し、厳しいロックダウンが緩和され、地域によっては学校が再開した中国だが、社会的距離の実行は続けられている。

 つい先日も新型コロナウイルス感染者が最も多い3省のひとつである浙江省で、子供たちが1メートルの距離を開ける帽子を被って登校する姿を伝えたばかりだ。

 そして同省杭州市では、公園への訪問者に対して、AI搭載のスマートグラスを着用した警備員がAI搭載のスマートグラスで、半径1メートル以内の人々の体温をチェックし、コロナ感染の疑いがある人を割り出しているという。『South China Morning Post』などが伝えている。

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1メートル離れた場所でも体温を測定できるAI搭載スマートグラス

 中国のスタートアップ企業Rokidが開発したAIスマートグラス『Rokid Glasses』は、顔と物体を認証できるカメラが内蔵されている他、小さなカメラが外付けされているサングラス風のスマートグラスで、赤外線で人々の体温を最大1メートル離れた距離から検出することが可能だ。


 社会的距離を強化する取り組みの中、中国本土ではほぼ2か月後には多くの公共施設が再開される予定となっている。

 そこで、このスマートグラスを使用して多数の人が集まる可能性を軽減させようという目的だ。

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image credit:Rokid

2分で数百人の検温が可能に


 杭州市西渓湿地保護区の一部の紅原公園では、訪問者を検温するために警備員がこのAIスマートグラスを着用して園内を警備。

 サーモグラフィ―と数字で体温が表示される仕組みになっており、2分で数百人の顔を検温することが可能だという。


 最大1メートル離れた場所から検温できるため、着用側のリスクも低く、発熱した人を発見すれば自動的に警報を発信し、録画と顔認証を開始するようデザインされている。

中国ではAIアプリケーションの使用が急増

 中国では、新型コロナウイルスの蔓延を抑制するためAIアプリケーションの使用が急増中だそうだ。

 複数のハイテク企業によると、こうしたAI技術は北京や深圳などの大都市の駅や空港の検温ポイントで使用されており、待ち時間を減らし感染のリスクを軽減しているということだ。

written by Scarlet / edited by parumo

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http://karapaia.com/archives/52290569.html
 

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