ベルギーのUFOウェーブ騒動

ベルギーで起きたUFOミステリー/iStock

 ドイツとの国境から11キロほどのところにあるベルギーのオイペンという町でそれは起きた。

 目撃者たちは皆、いくつかのライトに気がついたと言った。眩いほど明るく輝いていたのでわかったという。警官らもこの謎の物体に遭遇した。

 警官の証言によると、それは"巨大なサッカーフィールドライトのようだった"という。次第に、光を放っているものが、三角形をした物体であることがわかり、3つの巨大なライトが地面を照らしていて、中心にある光が赤く点滅していたそうだ。

 これがベルギーUFOウェーブ騒動の始まりである。

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数か月続いたベルギーのUFOウェーブ騒動

 時は1989年11月の夜、ドイツとの国境から11キロほどのところにあるベルギーのオイペンという町で、警官のハインリッヒ・ニコルパートナーヒューバート・フォン・モンティニーは、いつものようにパトロールに出ていたとき、この謎の物体に遭遇した。

 そして、夜が明けるころまでには、正体の知れないこの空飛ぶ物体を目撃した者は相当な数に膨れ上がっていた。だが話はこれで終わりではない。

 ベルギーのこのUFOウェーブ騒動は、その後数ヶ月に及び、今から30年前の1990年3月30日には騒ぎはピークに達した。

 ベルギー空軍のF-16が2機、スクランブル発進する事態になり、レーダーで確かにこの謎めいた物体を追跡したが、その目で確認するには至らなかった。

ベルギーのUFO事件

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2000件あまりの目撃情報は本当なのか?


 本当にUFOベルギー上空にやってきたのだろうか? ありえない話だが、30年たった現在でも、89年11月から90年4月にかけて2000あまりもの目撃情報がある事実を完全に否定することはできない。

 ベルギーUFO現象研究団体SOBEPSのパトリックフェリンは『Telegraph』誌にこう語った。

こうした目撃証言の大半はだいたい簡単に説明のつくものだが、そうでないものもある。出どころが疑わしいものもいくつかあるかもしれない

 そう、多くは除外できる。

 例えば、"Petit-Rechain picture"として知られる三角形の飛行体の写真は間違いなくフェイクで、2011年に製作者自らが名乗り出た。

 発泡スチロールにペイントして手作りし、宙に吊るして撮影したと、『ロイター誌』に白状している。

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 作家でポッドキャスト番組「Skeptoid」のプロデューサーブライアン・ダニングは、数多くの目撃証言に異議を唱え、1989年11月UFOの正体は実はヘリだったし、目撃したという警察官たちは、偏見をもったUFO研究家にインタビューされただけと主張している。

 ロイターに発表された錯綜する情報は、オイペン上空に現れた光は、"ソ連の衛星が解体したもの"と言っている。

陸軍大佐の目撃情報で話はややこしくなる

 にもかかわらず、1990年3月には話はますますおかしくなり始めた。この時点でも、散発的な目撃証言は相変わらず続いていて、今度は、陸軍大佐アンドレアモンドまでもが、12月に妻とドライブ中にいくつかの光を見たと証言している。

 言うまでもなく、ベルギー軍は全国でこうした証言が相次いでいることは認識していても、はっきりした答えを示す術はなかった。

 空軍の作戦部長、ウィルフリート・デ・ブラウワーは、調査レポーター、レスリー・キーンの2010年の本『UFOs: Generals, Pilots, and Government Officials Go on the Record』向けに、米軍がなんらかの飛行体の試験飛行をしているに違いないという自分の見解を語った。

 ブリュッセルにあるアメリカ大使館に問い合わせまでして、"ベルギーUFO問題"というタイトルの覚書を作成するよう働きかけたが、結局は、"問題の期間に当該区域で作戦を行った米空軍のステルス機は一機もない"ことを確認したにすぎなかった。

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軍の2ヶ所のレーダー基地が謎の物体をとらえる?


 米側の報告は十分に信用できるものだったが、ベルギー空軍や連邦航空当局、警察は、警察とレーダーが同時になにかをとらえたら、すぐにF-16スクランブル発進させる体制を整え、未確認の侵入者を捕まえる計画を練った。

 案の定、デ・ブラウワーは、『UFOs: Generals, Pilots, and Government Officials Go on the Record』の中で、3月30日の夜、数人の警官が目撃し、軍の2ヶ所のレーダー基地が謎の物体をとらえたと言っている。

 F-16パイロットはすぐさま追いかけたが、一時はレーダーにはっきりとらえられていたその謎の物体は、一瞬で非常に長い距離をジャンプするような考えられないような動きをして消えたという。

 しかし、パイロットは、追いかけていたその物体を実際に目で見たわけではない。のちに解析したところ、これらの物体が現実の飛行体なのか、証明するには証拠が不十分だと空軍が結論を下したと、デ・ブラウワーは報告している。

 90年代を通して、空軍に問い合わせがあったが、具体的に説明することはできなかった。4月に騒ぎが鎮静化するころまでに、目撃情報は数千件にのぼったという。

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本当にUFOなのか?集団ヒステリーなのか?


 それから30年たっても、十分な説明はされていないが、現在の専門家はこの出来事は集団ヒステリーの例ではないかと考えている。

 ダニングは、UFOに懐疑的なフィリップクラスの言葉を引用している。

いったんニュースで報道されると、人々はUFOが近くにいるかもしれないと信じてしまう。自然現象やただの人工物であっても、とくに夜間に目にしたら、UFOを期待している人の心に、得体のしれないものイコールUFOだと印象づけてしまうことはありえる。

そうした人たちの次々に出てくる目撃証言が集団の大騒ぎに拍車をかけ、ますます多くの人がUFOを待ち望むようになる


 しかし、デ・ブラウワーはまだこだわっている。

ベルギーUFOウェーブ事件として知られている一連の出来事は、決して集団ヒステリーが引き起こしたものではないと、自信をもって断言できる。

調査員と面談した目撃者たちは、誠実で正直だったし、互いに面識はなかった。多くが自分が見たものに驚き、今でもこの異常な体験を進んで裏づけてくれるだろう


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Pixabay

30年たった今でも真相はわからないまま


 確実なことは、この宇宙にはわたしたちが理解できないことがたくさんあるということだ。米軍でさえも、ありえないような奇妙な物体を空中で追いかけた話がたくさんあるし、機密解除されたUFO(あるいはUAP)映像が本物であることを認めている。

 ベルギーUFOウェーブ事件は、何十年もたって技術が進歩した現在でさえ、満足のいく答えは見つからないままだ。

 「今日でも、十分な説明はまだされていない」妻と共に光を目撃したアモンド陸軍大佐は言う。「残念だよ。自分が死ぬ前に答えを知りたいからね。わたしが目撃したことの正確な説明が欲しい。それだけが望みだ」

References:30 years later, we still don't know what really happened during the Belgian UFO wave/ written by konohazuku / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52290616.html
 

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