新型コロナウイルス感染症COVID-19)の感染防止対策のため、休校が続いています。お子さんが高校受験を控えているご家庭は受験勉強の心配と、さらに私立か公立かによってかわるお金の心配をしているかもしれません。私立高校も「授業料実質無償化」といわれていますが、どこがどう無償化なのでしょうか?東京都を例にとってみていきましょう。

そもそも高校の学費は?

東京都の私立高校の学費の平均はいくらなのでしょうか?都内私立高等学校231校の調査をした、東京都平成31年度都内私立高等学校(全日制)の学費の状況」をみてみましょう。

平成31年度の東京私立高校授業料の平均額(年間):46万0546円

ちなみに、東京都の公立高校である都立高校の学費の平均はいくらなのでしょうか?東京都教育委員会「都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について」をみてみましょう。

東京都立高等学校の全日制課程授業料の平均額(年間):11万8800円

その差額は34万1746円になります。

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「高等学校等就学支援金」って?

しかし、授業料をそのまま全額払っている家庭は実は2割だけです。文部科学省【2019年度から】高等学校等就学支援金リーフレット」の【制度概要】には「御家庭の教育費負担軽減を図るための、国による授業料支援の仕組みです。全国の約8割の生徒が利用しています。」とあります。

では、どれくらいの収入の家庭なら利用できるのでしょうか?文部科学省高等学校等就学支援金制度」によると「国公私立問わず、高等学校等に通う所得等要件を満たす世帯(モデル世帯で年収約910万円未満の世帯)の生徒に対して、授業料に充てるため、国において、高等学校等就学支援金を支給します。」とあります。

就学支援金を支給してもらうためには、申請が必要です。入学後に学校から書類をもらうので、その申請書類に必要事項を記入の上、学校に提出します。マイナンバーの書類の提出も必要なので、それなりの作業量もあります。

「気になる実際の支給額はどうなのでしょう?文部科学省2020年4月からの『私立高校授業料実質無償化がスタート』リーフレット」をみてみましょう。

都立高校(公立高校)は、年間11万8800円の授業料が年収約910万円以下だと実質0円です。

私立高校は、年収に応じて支給額が変わります。文部科学省2020年4月からの「私立高校授業料実質無償化がスタートリーフレット」によると、世帯年収の目安が590万円までは39万6000円、910万円までなら11万8800円が支給されます。」

東京都の場合、独自の上乗せの仕組みがあります。(都道府県によって異なります)公益財団法人東京都私学財団「保護者の年収目安とご利用できる制度(モデルケース)」の図を見てみると、国の就学支援金に加えて、590万円までは6万5000円、590~910万円までの世帯は34万2200円に上乗せされる都民向けの「私立高等学校等授業料軽減助成金」があります。

私立授業料は立替払いが必要なケースも

それらの支援金等を利用すると、都立高校では授業料の支払いが1回もないまま卒業するケースが多い一方、私立高校の場合1度支払うパターンが多いようです。どうしてそうなのかというと、申請してから給付額が決まるまでに時間が掛かるからです。ベネッセ高校入試情報サイト」の「実質無償化なのに、授業料の納付が必要?」の部分を見てみましょう。「給付決定→学校が就学支援金を受け取る→差額を計算→口座にお金が返ってくる」という流れなので、いったんお金を払わなければならない高校がほとんど、との記載があります。

東京の場合を見てみましょう。東京都私学財団「私立高等学校等授業料軽減助成金事業」にある、下記の支払いスケジュールを見ても合点がいきます。

【全日制・定時制】年間スケジュール(令和2年度の予定)
6月中旬 「申請用紙」配布開始(通常申請)
6月中旬 ~ 7月下旬 申請受付期間(通常申請)
12月下旬 結果の通知、申請者口座への振込(通常申請)

受験を考えている学校に、授業料の支払いスケジュール・手続きなどの込み入った話は確かに聞きづらいことです。しかし、確認をあやふやにしたままだと、お金の支度で慌てることになります。

私立は授業料以外の費用も多く、用意が必須

授業料だけでなく、入学金、私立の場合は施設設備費等もかかります。

私立高校の入学金・施設設備費などは?

前述の「平成31年度都内私立高等学校(全日制)の学費の状況」内に東京都の私立高校の入学金の平均と施設費、その他の費用の記載があります。

入学金:25万1048
施設費:4万2346円
その他:17万2350円

都立高校の入学金・施設設備費などは?

都立高校の場合はどうなのでしょうか?東京都教育委員会「都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について」を見てみましょう。

入学料:5650円
※施設設備費、その他にあたる学校徴収金は、学校によって異なります。文化祭や校外活動、修学旅行などの費用で、年間10万円前後が相場です。(東京都立田園調布高等学校高校で必要な費用について」)

入学金に約44倍、施設費などでも約2倍の差があります。

大学進学には更にお金が掛かります。それも視野に入れつつ、高校でも授業料以外にもお金が掛かることを知り、お金の計画を立てることが肝心です。

【参照】
東京都平成31年度都内私立高等学校(全日制)の学費の状況
東京都教育委員会「都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について
文部科学省【2019年度から】高等学校等就学支援金リーフレット
文部科学省高等学校等就学支援金制度
文部科学省2020年4月からの『私立高校授業料実質無償化がスタート』リーフレット
公益財団法人東京都私学財団「保護者の年収目安とご利用できる制度(モデルケース)
ベネッセ高校入試情報サイト
東京都私学財団「私立高等学校等授業料軽減助成金事業
東京都教育委員会「都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について
東京都立田園調布高等学校高校で必要な費用について