何度もトイレを入ったり出たり。痛みもあります

64歳の女性です。尿をする際の違和感と痛みについて教えてください。 少し前から感じていたのですが、尿をした後、まだ出そうな感覚が残ります。トイレから出ても、もう一度したくて、何度もトイレに入ったり出たりをするのです。 また、尿を出す際に、下腹に痛みが走ることもあります。熱いものが出て行くような、ヒリヒリとした痛みです。  最初は気のせいと思っていたのですが、痛みはしばらく続くので、気になってお手紙しました。 とくに熱もないので、ただの老化現象で、放っておいても良いのでしょうか。

細菌感染による膀胱炎か。
早期の診断・治療が重要

今回は、排尿後にまだ尿が出そうな感じがしたり、排尿の際に痛みがあるという女性の方からのご相談です。

排尿後でも、まだ尿が出そうな感じがすることを「残尿感」と言います。この残尿感があって、さらに排尿時に痛みもあるという事ですと、一番多いのは膀胱炎かと思われます。 膀胱炎は女性に多い病気で、今回のご相談者のように残尿感や排尿痛、そして頻尿といった症状が現れます。さらに尿が白く濁るという事もありますので、これらの症状が、膀胱炎であるかどうかをチェックする重要なポイントになります。

膀胱炎という病気は、大腸菌などの細菌が尿道から膀胱へと入り込み、それらの細菌が悪さをするのですが、細菌感染といっても、膀胱炎の場合は熱が出ないケースが多いため、熱がないからといっても油断はできません。

一番簡単な診断法が、尿の検査をすることです。膀胱炎になると、尿の中に白血球がたくさんあったり、細菌なども混ざっていたり、ときには血尿なども見られます。そのような場合、抗生物質を飲んでいただくと、ほとんどの方は比較的早期に、数日で症状は良くなります。またそれに加えて、水分を多めに採っていただき、尿を沢山出して希釈してあげると、細菌も排出しやすく、治りも早いです。

膀胱炎を起こしやすい方は一度治っても再発すことも多いので、生活習慣の中で、予防に努めることが大切です。よくあるケースとして、たとえば旅行などで長時間飛行機に乗ったり、バスに乗ったりする際、トイレに行きたくならないように、水分摂取を控えてしまう方がいらっしゃると思います。尿を我慢していると、膀胱の中に尿がたまったままになるので、当然細菌も繁殖していきます。さらに水分を飲まないでいると、膀胱の中で尿が濃縮されてしまい、より細菌が繁殖しやすくなってしまいます。そのため、まずはトイレを我慢しないこと。そして水分をしっかりと採ることが大切です。

また、今回のご相談者は女性の方でしたが、男性の方でも、もし同じような症状がある場合は、膀胱炎のほかにも、前立腺肥大症や前立腺炎なども考えられますので、そういった病気のチェックも必要になりますので、参考にしてください。

女性に多いトイレの後の残尿感や痛み…「老化現象」と放置しないで