2020年夏(8月21日(金)~9月4日(金))に、長野県松本市を拠点として開催される予定だった『セイジ・オザワ 松本フェスティバルOMF)』。この度、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に伴う国内外の状況を鑑み、開催を中止することを発表した。

本音楽祭は、1992年小澤征爾が恩師である齋藤秀雄の名を冠して創立し、毎夏、長野県松本市で開催されてきた。2015年から『セイジ・オザワ 松本フェスティバルOMF)』として行われている。

開催中止にあたり、公益財団法人サイトウ・キネン財団、理事長の堀伝氏、セイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会、実行委員長の坪田明男氏、そして総監督である小澤征爾が公式サイトに寄せたメッセージを、原文のまま紹介する。

 
新型コロナウイルスに関する政府発表や、社会情勢を注視しながら、これまで小澤征爾総監督や共催の長野県松本市とも協議を重ねてまいりました。本来ならば6月13日(土)からチケット発売の予定でしたが、諸外国からの入国制限継続により、欧米等からの出演者の来日が困難であると予想されること、緊急事態宣言を受け、国内での移動も制限されていることなどから、お客様、出演者、ボランティア等関係者の安全、安心を第一に考え、今回の結論に至りました。
開催を楽しみにされていた皆様、ご協賛頂いている皆様、開催に向け準備を進めてくださった関係者の皆様には誠に申し訳ございませんが、どうかご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
 
1992年から始まったOMFは、今年で開催29回目を迎える予定でした。人と人が触れあい、同じ空間の中で音楽を楽しむということが、いかに貴重でかけがえのないものであるか、改めて多くの人が感じていることと思います。来年開催の時期・内容については詳細が決まり次第発表させて頂きますが、2021年はフェスティバル開催30年目という輝かしい歴史の節目にあたります。この世界的な危機が終息し、サイトウ・キネン・オーケストラをはじめとする素晴らしい音楽家たちの演奏を、皆様に届けられる環境が戻っていることを願っております。我々も、来年開催へ向けて一層の努力を重ねてまいります。今後とも、OMFをどうぞよろしくお願いいたします。

公益財団法人サイトウ・キネン財団 理事長 堀 伝
セイジ・オザワ 松本フェスティバル実行委員会 実行委員長 坪田 明男


セイジ・オザワ 松本フェスティバル総監督 小澤征爾 メッセージ

音楽が一番必要とされているときに、音楽を届けられないのは、とても残念です。
大好きな松本で音楽祭をしたかったですが、いまは全員の安全を考えて、中止と決定しました。
来年、また皆さんに会えるのを、今から楽しみにしています。
安全な日が一日も早く戻ることを願っています。

『セイジ・オザワ 松本フェスティバル(OMF)』