2007年夏に開催された「全日本第1回アニソングランプリ」で見事優勝し、鮮烈なデビューを飾ったアニソンアーティスト・喜多修平。テレビアニメ『ペルソナ 〜トリニティ・ソウル〜』の第1期オープニング主題歌『Breakin' through』でデビューして以来、その力強くも優しい歌声で数々のアニソンを歌い続けてきた。

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そんな喜多修平にとって2枚目のアルバムとなる『ユメミルセカイ』が7月24日に発売され、それに伴って10月からは全国3ヶ所でライブツアーを開催する。止まることなく躍進を続ける喜多修平にとって、歌とは、アニソンとは何なのか。自身の音楽のルーツから、プライベートの過ごし方まで、じっくりとお話を伺った。

――先日、中国・広州のアニメイベントに出演されたそうですね。そちらではファンとのトークイベントを行ったそうですが、海外のファンはいかがでしたか?

喜多「同じアジアだからかもしれませんが、日本とあまり変わらない感じでしたね。コスプレイベントなんかも開催されていて、僕が主題歌を歌わせていただいていたアニメ『世界一初恋』のコスプレをした方も客席におられました」

――現地のファンにとってはなかなか会えない喜多さんに会えたということで、喜びも大きいでしょうね。

喜多「そうですね、今回はトークショーということで、ファンクラブイベント的にいつもより近い距離で触れ合えたかなと思います」

――同じ海外でもアジア以外ではまた雰囲気が違うものですか?

喜多「メキシコとかだとぜんぜん恥ずかしがらずに最初からワッと盛り上がりますね。アジアの方はシャイなのかも(笑)」

――そして先日、2ndアルバムとなる『ユメミルセカイ』を発売されました。1年半ぶりのアルバムとなります。

喜多「前作が出てから、ここまで進化した自分を見せられたらという思いを込めて作りました。アニメなどのタイアップ曲はもちろんですが、表題曲をはじめとして自分でも3曲を作詞作曲しています」

――前回から進化した部分というと?

喜多「前回が"静"なら今回は"動"ですね。激しい曲や暗い雰囲気の曲も収録していて、今までと違う面を見せられたらと思っています」

――たしかに音楽の幅がグッと広がったという印象を受けます。喜多さん自身が作詞作曲された3曲についても、それぞれ雰囲気がまったく違いますよね。

喜多「ええ。たとえば1曲目の『Beyond the Rainbow ~ユメミルセカイ~』は激しい感じで、夢に挫折したときに気持ちを奮い立たせられるような曲になっています。このアルバムの方向性を位置づける重要な曲なので、ガツンともってきたかったんですね。一方で、5曲目の『EVERLASTING』なんかはまったく違う雰囲気でR&Bっぽい感じに仕上げています。自分としてはいろいろなパターンの曲を歌っていきたいと思っていますし、今後もどんどん新しい自分を見せていきたいですね」

――でも決してバラバラというわけではないですよね。曲調はバラエティに富んでいるんだけど、その根っこにはしっかりとした"喜多修平イズム"が感じられます。

喜多「ありがとうございます。実はオリジナル曲については、すべての曲に『世界』というキーワードを入れて共通点を持たせているんです。アルバム最後の曲でもある『VOCAL LAND』はちょうど『Beyond the Rainbow ~ユメミルセカイ~』と対になっていて、近いテーマを歌っています」

――共通するテーマとアルバムコンセプトについてもう少し教えていただけますか?

喜多「アルバムのテーマは、みなさんと一緒に自分たちが夢見る世界へ歩いていこうというメッセージですね。ライブにきてくださった皆さんにそれぞれ色があって、それがライブを通してつながることで虹になったらいいなという思いを込めています」

――ファンへの思いを歌ったアルバムでもあるわけですね。喜多さんはすごくファンを大事にされているという印象があります。

喜多「ライブにきてくださった皆さん同士で仲良くなって、催し物をやってくれたりしているみたいなんですよ。そんな風に僕が皆さんをつなぎ合わせる存在になって、輪が広がっていけたらいいなと思いますね」

――そんな2ndアルバムを引っさげて、10月からはライブツアーも始まります。

喜多「今回のアルバムはもちろん、前作やCD化されていない曲も歌うつもりです。自分の持ち歌が増えてきたので、それらを合わせてどういうライブにしていくか、今から楽しみですね。今回のアルバムはアップテンポな曲が多いので盛り上がると思います」

雅楽、オカリナ……個性的すぎる音楽ルーツ

雅楽、オカリナ……実は音楽の道をいろいろ蛇行しているんです(笑)

――喜多さんにとってアニソンの魅力とは何でしょうか。

喜多「作品に沿ったテーマで練られて作られているのが魅力ですね。僕も毎回、作品の資料や台本を拝見して、物語に感情移入できるように歌っているのですが、作品によって曲も歌詞もまったく違います。そこで自分を切り替えてどう見せていくかというのがアニソンの面白いところ。アニソンを歌うことって、毎回がデビュー曲みたいな感じで新鮮なんです」

――喜多さん自身はどんなアニソンに影響を受けて育ったのでしょうか。

喜多「そうですね……『宇宙船サジタリウス』とか『魔神英雄伝ワタル』、他にも『新世紀エヴァンゲリオン』や『スレイヤーズ』などいろいろ見ていましたよ。影響を受けたという点ではワタルでしょうか。サントラとかCDドラマとか全部買い揃えましたから(笑)」

――そもそもアニメがお好きだったんですね。そこからデビューに至った経緯について教えていただけますか?

喜多「もともと歌うことは好きだったんです。最初に歌うことの気持ちよさを知ったのは小学3年生の頃。内気な子どもでしゃべるのは苦手だったのですが、歌だったら人前で緊張せず歌えたんですね。あるとき地元の夏祭りでカラオケ大会があって、そこで『夢光年』を歌って拍手をもらったのが原体験だと思います」

――そこから歌手を目指した?

喜多「歌手というよりは音楽に携われる仕事に就ければいいなということで、大学は大阪芸大の音楽学科に進学しました。そこでゲーム音楽を作る方へ行こうとしたのですが、就活ではどこも受からなくて。そこからしばらくしてアニソングランプリの告知を見つけて、応募したんです」

――音楽といっても一度は別の道に進みかけたわけですね。

喜多「そうですね。歌うことはつねに好きだったのですが、いろいろ蛇行しているんですよ(笑)。たとえば中学時代は軽音部がなかったので雅楽部に入って龍笛を吹いていました」

――雅楽部ですか! それはまた珍しいですね。

喜多「神社が校内にあるという変わった学校だったんです(笑)。高校に上がると今度は軽音部に入ったのですが、今度はメンバーの音楽性がバラバラで、僕も最初はキーボードだったんですが、途中からボーカルに転向したという感じです。あと、大学ではオカリナを吹いていました」

――オカリナですか!?

喜多「龍笛をやっていたからか、笛の音が好きになったんですよ。アニメやゲーム音楽の影響もあるかもしれませんね。リードが声でなく楽器ですから」

買ったフィギュアを開封できない理由とは!?

フィギュアを買ったんですが、まだ開封していないんです。実は……

――影響を受けたミュージシャンはいますか?

喜多「物心ついたときからずっと聞いているのは串田アキラさん。あとはやっぱり影山ヒロノブさんですね。アニソングランプリでは決勝で『夢光年』を歌わせていただいたのですが、審査員席にご本人がおられて……(笑)」

――それは緊張しそうですね(笑)。

喜多「デビューしてからほどなくして、影山さんと同じステージに出させていただく機会があったんです。影山さんのギターで『夢光年』を歌うことができて、なんという光栄!と」

――夢のコラボが実現したわけですね。最後に喜多さんのオフのときのお話も伺えたらと思うのですが……。

喜多「オフですか? わりと秋葉原を歩いてますね」

――デビューした後も?

喜多「ええ、楽器を見たり、フィギュアショップを見たり、あとはメイド喫茶にもよく行ってましたよ。最近は行けてないんですが……」

――フィギュアというと?

喜多「最近だと受注生産の『宇宙刑事シャリバン』が届きまして。すごくよくできているんですが、まだ開封していないんです」

――どうして?

喜多「ちょうどいいアクリルケースがなくて……」

――なるほど(笑)。サントラドラマCDを集めていたというお話もありましたが、喜多さんって実はかなりコレクターですよね。

喜多「そうかも……部屋にはハニカム型のラックを置いて、真ん中にガンヘッドを入れて、ライトアップしていますね」

――それ、すごく見たいです(笑)。最後にファンの方へのメッセージをいただけますか。

喜多「待望の2ndアルバム『ユメミルセカイ』。理想の世界を目指して皆さんと一緒に進んでいこうというメッセージがこもった一枚になっています。ミュージックビデオも同梱されていますので、そちらも楽しんで世界観を感じていただけたら嬉しいです。ライブツアーも熱く楽しいものにしていくので、ぜひ遊びにきてください!」


デビューから5年。アニソン界に彗星の如く現れた喜多修平は、2ndアルバムでまた新たな境地を切り開いた。10月からスタートするライブツアーでは、これまでとはまたひと味違う喜多修平の姿が見られるはずだ。

それに先駆けて、8月14日(水)にはニコニコ生放送番組『アニメぴあちゃんねる』に出演する。こちらもお見逃しなく!

『アニメぴあちゃんねる』隔週水曜日にニコ生配信中!

ニコニコ生放送『アニメぴあちゃんねる』
次回8月14日(水)のゲストは喜多修平さん! お楽しみに! (http://j.mp/11egzXf)

ライブチケット情報はこちら!(http://j.mp/11Q8AmR)

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