今季ブレークの英代表FWアブラハム、選手がウイルスを拡散する可能性に言及

 チェルシーイングランド代表FWタミー・アブラハムは、新型コロナウイルスの影響で中断しているプレミアリーグの再開に反対のようだ。持病を抱える家族がいることから「最悪の事態が起こりうる」と感染した場合のリスクに懸念を示した。英紙「デイリー・メール」が報じている。

 英国では新型コロナウイルスによる死者がすでに3万3000人を超え、アメリカに次いで世界で2番目の多さとなっている。感染者の数も23万人超えと今後もさらに広がる可能性は否定できない。

 3月中旬から中断しているプレミアリーグは、6月中の再開に向けて中立地での無観客試合での再開案などが議論されているが、選手からは再開の不安を指摘する声も上がっている。チェルシープレーするアブラハムもその1人だ。

 複数回のローン移籍から復帰して今季からトップチームに定着した22歳のストライカーはフランク・ランパード監督の下でブレークを果たし、今季公式戦34試合で15得点をマークするなど、充実の時を過ごしていた。

 アブラハムは「誰もがフットボールが戻ってきてほしいと思っているし、僕もフットボールを愛している。僕にとってチェルシーで最初のフルシーズンだったし、この素晴らしいシーズンを続けたいと思っている」と語った一方で、新型コロナウイルス感染のリスクが依然として高いままの状態でシーズンを再開することには反対の考えを示している。

「僕にとって最も重要なのはみんなが健康で、かつ安全でいながら何かを始められることだ。そうなればフットボールはいつでも戻ってこられる。安全であればそうしようと思うことができるけど、そうでないなら僕らは待つことになるだろう。

 僕の父は喘息持ちだ。そんなことはあってはならないが、もしプレミアリーグが再開されて、僕がこの病気を家に持ち帰ってしまったら、最悪の事態が起こり得る。僕自身がウイルスに感染し、それを誰かに移してしまうのは何よりも避けたいんだ」

 アブラハムは選手が感染を広めてしまう最悪のケースが起きてはならないと警鐘を鳴らしている。アブラハム自身はシーズン再開が決まった場合、家族と離れてホテル暮らしをすることも検討しているという。

 ロンドンサディク・カーン市長もプレミアリーグの6月再開案には反対している。ドイツでは今月の16日からブンデスリーガが再開されることになったが、より深刻な被害が出ているイングランドでは今後の経過をより慎重に見ていく必要がありそうだ。(Football ZONE web編集部)

チェルシーのイングランド代表FWタミー・アブラハム【写真:Getty Images】