NEC(新野隆社長)は5月14日生体認証「Bio-IDiom」の中核技術であり、世界的権威のある米国国立標準技術研究所が実施した認証技術のベンチマークテストで世界No.1となった顔認証技術と虹彩認証技術を組み込んだマルチモーダル生体認証端末を開発したと発表した。

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 NECはこれまで、生体認証を世界約70の国と地域に1000システム以上を導入しており、精度や利便性、セキュリティの向上により、社会や企業、エンターテインメントや個人のライフスタイルにいたるまで便利で安全・安心な毎日を支える社会インフラとして、さまざまな領域で利用されている。また、複数の生体認証技術を、利用シーンに応じて使い分け組み合わせることで、誰もが使いやすく、高い認証精度を実現するマルチモーダル生体認証にも取り組んでいる。

 今回開発したマルチモーダル生体認証端末は、世界No.1の認証精度と高い利便性によりさまざまな用途で導入が加速している顔認証技術と、高度な個人識別が可能な虹彩認証技術を統合した。身体的特徴の多様性への対応が必要な大規模システムや厳格な本人確認が必要な利用環境で、安定した高い精度で高速な認証が可能。マスク着用のまま認証することもできる。

 これによって、国や社会などでの大規模人数を対象としたシステムでの活用や高いセキュリティを求めるオフィスへの入退室、また衛生面に配慮した服装やマスク着用が必要な食品工場、工場内のクリーンルーム、医療現場での入退室、さらにはATMでの本人確認や店舗での迅速な決済など、さまざまな用途での広がりが期待される。

 NECでは、同端末を21年度までに、まずは決済や入退室用途での提供を目指す。

顔と虹彩による認証するマルチモーダル生体認証端末