末期のがんの男性が、亡くなる2日前に娘との対面を果たした。パートナーの女性が出産を2週間早めたことで「娘に会いたい」という男性の最期の願いを叶えたのだった。『Metro』『Mirror』などが伝えている。

英サットン・コールドフィールドにある高校の体育教師であり、少年サッカーチームのコーチ兼マネージャーとして活躍していたジェイミー・ハンターさん(Jamie Hunter、38)は今年3月、末期の腎臓がんと診断された。ジェイミーさんは昨年10月から脇腹に痛みを感じており、今年4月にはがんが肝臓にも転移していることが判明。医師から「すでに手の施しようがない」と告げられて悲嘆に暮れた。

がんの告知を受けた時、ジェイミーさんのパートナーであるベッシー・フリントさん(Beccy Flint)は妊娠中で、5月末に第1子となる女の子の出産を予定していた。新しい命の誕生を心待ちにしていたジェイミーさんはまさに幸せの絶頂から一転、“死”の恐怖と向き合うことになったのだ。

それでも普段から身体を鍛えていたジェイミーさんは「なんとか娘が誕生するまでは…」と頑張りを見せていた。しかし容態は日に日に悪化。死期が近いことはジェイミーさん自身が一番よく分かっていたのだろう。ベッシーさんとジェイミーさんは話し合いを重ね、出産を予定より2週間早めることを決断した。

こうして今月11日、無事にハーパー=メイちゃん(Harper-May)が誕生し、3人は家族水入らずの貴重なひとときを過ごすことができた。

家族の友人であるフィル・テイラーさん(Phil Taylor)は、ジェイミーさんについてこう明かしている。

ジェイミーは娘の1歳の誕生日には一緒にいられないこと、泳ぎや自転車の乗り方を教えたり、初登校の日に一緒に付き添ってあげることできないことを知っていました。それどころか『もう娘に会うことさえ叶わないのでは』と無力感に打ちのめされていました。それだけに娘を腕に抱き、家族3人で穏やかな時間を過ごせたことを心から喜んでいたようです。」

ジェイミーさんはハーパー=メイちゃん誕生の2日後、息を引き取った。38歳だった。

ちなみにフィルさんは、一家のためにクラウドファンディングサイト「JustGiving」にページを開設しており、サイトにはジェイミーさんの教え子やその家族からこんなメッセージが届いている。

「僕のコーチだった。いつも自分のことよりも他人のことを思いやる温かい人だった。今までありがとう。」
「まだまだこれからだったのに、こんなに突然逝ってしまってとても残念。悲しくてたまらないよ。」
「最期に赤ちゃんを抱っこできて本当に良かった。」
コーチのことは忘れないよ。ありがとう。」
「いつも明るくて、子供のことを考えてくれた人。今日はずっとコーチのことが頭から離れない。」
問題児だった息子を助けてくれた唯一の先生。あなたがいたから息子は立ち直った。心から感謝している。」
ジェイミー、必ず私たちが家族をサポートするから。約束するよ。」

子供が大好きで、教え子から厚い信頼を得ていたというジェイミーさん。きっと天国から娘の成長を温かく見守っているに違いない。

画像は『Mirror 2020年5月14日付「Heartbreak as dad dies from cancer 48 hours after first cuddle with newborn daughter」(Image: BPM Media)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト