「仕事がしんどいな……」と何となく思っているけれど、「仕事がしんどいのは当たり前だし、甘えかな?」とも考えていませんか?

真面目な頑張り屋さんほど、そのように自分を追い込んでしまいがちですが、実はあなたの心と体が「休みたい」というSOSのサインを出している可能性が高いのです。

今回は、仕事がしんどいと感じたときの対処法をご紹介します。

■ 仕事がしんどいと感じる5つの原因

仕事がしんどいと感じる原因は、大きく分けて5つあります。まずは、客観的に振り返ってみましょう。

◇(1)自分のスキル不足で成果が出ない

自分のスキルが不足していて、思うように成果が出せないときに、人は仕事がしんどいと感じます。

また、自分を責めて自己嫌悪したり、自分のあり方が揺らいだりした際にしんどくなってしまいます。

◇(2)労働環境に問題がある

通勤時間や労働時間といった仕事に関する拘束時間が長いこともしんどさの原因になります。

また、人手不足で休日でも出勤を命じられることがある、社風や会社の方針が自分の価値観と異なるといったケースでもつらさを感じます。

◇(3)職場の人と反りが合わない

上司との反りが合わないなどの職場の人間関係も原因の一つ。人間関係に関しては、対人スキルを身に付けることで解消できる場合もあります。

◇(4)業務内容が自分の特性に合っていない

ノルマや会社からの制限・ルールが厳しすぎたり、自分のやりたいことと違ったりする場合、しんどさを感じます。

◇(5)業務過多、見合った報酬が得られない

自分に割り当てられている仕事量が多く、それに見合った給料や心の報酬(喜びや誇り、やりがいなど)が得られないケースもあります。

給料や仕事量については相談や交渉により改善が図られることもありますが、根本的には自分がこれからどうしていきたいかを明確にしておく必要があります。

■仕事がしんどいと感じることで起こる3つのリスク

仕事がしんどいと感じ続けると、どのようなリスクが出てくるのでしょうか? 詳しく見ていきましょう。

◇(1)仕事に集中できなくなり、効率が下がる

仕事に集中ができず、すぐに気が散ってしまうなど、効率が下がり仕事がなかなか終わらなくなってしまいます。

自分がやるべきこと以外のことが気になったり、仕事が長引いて残業時間が増えていたりするなら注意してください。

また、長期休暇などの最終日に「今日で休みが終わってしまう……」と思った途端、体がだるくなるといった場合は、精神的にも疲れている証拠です。

◇(2)寝ても疲れが取れない

「今までは寝て起きればすっきりしていたのに、最近はいくら寝ても疲れが取れない……」という方は要注意です。

健康な状態であれば、しっかりと休めば疲れは取れるものです。しかし、そうならないということは体の回復機能が低下しているというサインといえます。

◇(3)疲れすぎて眠れなくなる

心も体も疲れているはずなのになかなか寝付けない日が続くなら、赤信号です。

なぜなら、正常な睡眠を促す交感神経と副交感神経のリズムが崩れるほど、極度な緊張状態が続いてしまっているといえるからです。

このままでは気力体力共に消耗してしまいますし、出社しても頭が働かず、健全な判断も難しくなってしまいます。

■「仕事がしんどい」と感じるときの6つの対処法

「生活のため」とか「逃げたくないから」とか、そんな思いで仕事がしんどくても頑張ってしまう人もいるでしょう。

しかし、その「しんどい」状態を一人で抱え続けるのはおすすめできません。

ここでは、しんどいと感じたときの心理的な解消法を解説しますので、「これならできそう!」と思える方法から、少しずつ実践してみてください。

◇(1)心を許せる人に相談する

誰かに頼るなんて「甘えだ!」なんて思っていませんか? そのような自分の考えに固執せず、信頼できる人に早めに相談しましょう。

相談をするという行為自体が自分を孤独な戦いから解放し、心を軽くしてくれますよ。

もし、そういう人が周りにいないと思うなら、専門家に相談してみるのも一つの手です

◇(2)しんどいと感じる理由を明確にする

「他の人はできているのだからできて当たり前」と自分にプレッシャーを掛け過ぎていませんか?

誰かと比較する必要はありません。それよりも、あなた自身が「しんどい」と感じている理由をちゃんと自分に聞いてあげましょう。

誰かに愚痴や不満をこぼしてみるのも、緊張やストレスを解消する一助になりますが、それ自体に大きなハードルを感じてしまうのなら「何に対してしんどいと感じているの?」とか「本当はどうしたいの?」と自分に質問してみましょう。

その思いを紙に書き出してみるのもおすすめです。自分はどんなことにどう感じるのか、自分を知ろうとすることや理解しようとすることで、具体的な解決策が見えてくることもよくあります。

◇(3)仕事の後や休みの日に趣味の時間を作る

しんどいことばかりが頭から離れず、仕事のことばかり考えてしまうのであれば、逆に仕事のオンとオフの切り替えの意識をしっかり持つようにして、自分が心地良くいられる時間を確保するようにしましょう。

自分一人では意識の切り替えが難しいときには誰かを誘ってみるのもおすすめです。

◇(4)上司や同僚に対応してもらう

自分一人では解決できないことを、誰かが解決へと導いてくれることもあります。

例えば、仕事の勤務時間が長過ぎるなどの理由で、仕事を辞めたい、心身が疲れ果てているなどの場合は、一人で悩んでいても何も解決はしませんよね。

そんなときは、具体的に対処できる上司や同僚に相談してみるのが良いでしょう。今の状況を見直してくれたり、さらに上の上司に掛け合ったりしてくれるかもしれません。

◇(5)休暇を取ってしっかり休む

体が疲れている場合は、まずは、ゆっくりと寝て休息を取ることが大切です。心身を労わってあげることが、疲れを癒やしていく上で最も効果的な方法でしょう。

精神的に疲れている場合や、仕事を辞めたいなどと考えている場合は、いよいよ動けなくなる前に適切な休みを取って自分の時間を作り、リラックスすることも効果的です。

たまには計画的に休みを取ることで、「しんどい」を少しでも減らしていきましょう。

◇(6)自分に合った転職先を検討する

無理をして今の仕事を続けなければいけないわけではありません。人間関係や勤務体制、収入面など、今の職場に不満があって、その不満がストレスになっているのなら、仕事を辞めるのも方法の一つです。

いろいろ試してみても改善されないような職場環境の悩みがあるなら、転職を検討してみましょう。

全てが希望通りの会社に転職するというのは難しいかもしれませんが、ストレスが減れば、また新たな道が切り開けます。

仕事がしんどいと感じたら、自分を見直すチャンス

あなたの感じているしんどさは、会社の待遇のせいかもしれませんし、人間関係のせいなのかもしれません。

しかし、仕事がしんどい、行きたくない、と思ったときは、あなた自身のことを見直す良い機会でもあります。

自分は何に対してしんどいと感じているのか、本当はどうしたいのか。時には専門家のサポートも活用しながら、それらについてじっくり考えてみましょう。

また、場合によってはしっかりとお休みを取り、そのつらさを繰り返さなくてもいいように、心身ともに整えてからまた新しいスタートをきることも検討してみてくださいね。

(熊谷佐知恵)

※画像はイメージです

仕事に行きたくないときの6つの対処法