エリア51が、アントン・チェーホフ作『かもめ』を「家」「喪」「女」のパートに分けて解体・考察し、上演を行うことを発表した。公演の総称を『KAMOME』と題し、2020年秋から2021年に掛けて、長期企画に挑む。

かもめ』(1895)は、ロシアの作家アントン・チェーホフの代表的戯曲。物語の舞台はロシアの湖畔に佇む屋敷。作家志望のトレープレフと女優をめざすニーナという若き二人の恋を中心に、夢と生活、恋愛と結婚、人間関係の縮図が描かれる。トレープレフの自殺で幕をおろすが、この人間模様をチェーホフは”喜劇”とした。登場人物の言動や関係性に謎が多いことなどから、初演時は不評だった作品だ。

そんな本作をエリア51は舞台を現代日本に置き換え、物語を3つの要素を中心に再解釈し、3種のパフォーマンスとして上演する。現在における”絶望”を”喜劇”へと昇華するための一連の検証であり、またその旅そのものを、ひとつのインスタレーション/物語として現代に組み込むための試み、とのこと。

【ティーザー】エリア51『KAMOME』

また、2020年5月1日で結成1周年を迎えたエリア51は、『KAMOME』に挑むにあたり、新メンバー募集企画未知との遭遇を始動させる。募集するのは、美術家・舞台部・演奏家・ラッパー・ライターなどのクリエイター。応募条件は、おもに演劇や映像などの作品づくり、スタッフワークや出演に興味がある方、特技や特殊技能があり、創作に活かしたいと思っている方、経験・在住不問・16歳以上の人物。募集日程は本日5月18日(月) から 定員に達し次第終了となるので、興味のある方は早めに募集要項を確認しておこう。

エリア51 より

誰でも自由に企画したり、好きなジャンルに手を伸ばしたりできて、仲間の手をいつでも借りられる。そんな「環境」づくりを目指してます。もっと創作の手を拡げ、たくさんの人とつながっていきたい。思い通りにいかない今だからこそ、ともに悩みつつ共同制作するメンバーを探しています。あなたの創作と私たちの創作の未知なる化学反応を夢見て。

<プロフィール>
神保治暉の呼びかけにより集まったアートチーム。劇団としてではなく、クリエイティブチームとして集結し、メンバーそれぞれがアーティストとして作品を生み出していける「環境」となることをめざして活動。演劇のみならず映像や美術作品、音楽やインスタレーションなどさまざまなカタチで社会とつながっていくことを目的とする。メンバーは神保治暉、門田宗大、鈴木美結、濵田真実の4名。

『KAMOME』カドタ(トレープレフ)役で出演する門田宗大