緊急事態宣言が発令されてから、1か月以上が経ちました。感染者数も減少傾向にあり、予断は許さないとはいえ、感染拡大の山は越えつつあります。

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 そして、国民の多数が求めていた補償もおおよそ出揃ってきました。お肉券やマスク2枚など、さまざまな計画がありましたが、結果としてそれぞれの状況やニーズに応じた金銭的な補償が用意されています。

 しかし、さまざまな給付金や貸付制度があるため、自分が利用できる制度なのかを把握しきれていないという人もいるはずです。せっかくの補償も活用できなければ意味がありません。ここでは主要な補償制度について大枠をご説明します(※情報は5月12日時点)。

全国民に一律10万円「特別定額給付金」

 まず、全ての国民がもらう権利があるのが「特別定額給付金」です。こちらはニュースで大きく取り上げられていたこともあり、多くの人が知っているのではないでしょうか。

 当初は「生活支援臨時給付金(仮称)」として、減収世帯への30万円給付が考えられていましたが、紆余曲折の結果、全国民に一律10万円給付という形に落ち着きました

 申請方法はオンラインもしくは郵送で、給付時期は自治体によって違いがあります。生活支援臨時給付金の他に、各自治体が独自に給付金を設けている場合もあるので、併せてチェックするのが良いでしょう。

 子育て世代は「特別定額給付金」のほかに「子育て世帯特別給付金」も支給されます。こちらは子ども一人につき1万円が、6月の児童手当に上乗せする形で支給されます。所得が多い世帯(児童手当が月額5000円)以外が対象で、対象世帯には申請なしで支給されます。

 他の補償は申請が必要なものが多いですが、こちらはお手軽さも嬉しいですね。

事業者に最大200万円支給「持続化給付金」

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 フリーランスなど事業者向けの給付としては「持続化給付金」があります。最大で法人は200万円、個人事業者は100万円までが給付されます。

 売上が前年同月比で50%以上減少していることが条件で、該当月×12を昨年の総売り上げから差し引いた額が上記の上限まで支給されます。現在、特設サイトで申請を受け付けており、申請から約2週間で支給されます。

 給付金額の計算方法が複雑なようにも見えますが、特設サイトのフォーマットに入力すると給付される金額を自動で計算してもらえます。該当しているかどうか自分でわからない場合は、一度入力をしてみるのもいいかもしれません。

貸付なら2つの制度を活用できる

 ここまで紹介した補償は給付のもの、つまり返す必要のない補償でしたが、貸付の補償制度としては「総合支援資金」と「緊急小口資金」があります。いずれも無利子で保証人不要、各地域の社会福祉協議会が窓口となっています。

総合支援資金」は生活維持が困難な世帯を対象としており、単身で15万円以内、2人以上の世帯で20万円以内であれば借りることができます。原則として3か月間、最長で9か月。最大で60万円までの貸付が想定されています。

 返済期限も10年以内と比較的が長いです。お金に困って消費者金融での借入を検討している方がいたら、緊急小口資金のほうが良い場合も多いでしょう。

緊急小口資金」は総合支援資金よりも小規模で、一時的に生計が不安定になっている世帯が主な対象です。子供の休校による休業、急な生活費が必要な場合に20万円、その他の場合は10万円を借りることができます。

 返済期限は原則として2年以内で、さらに1年間の猶予も設けられています。返済時の所得状況によって免除もありますので、当面の生活費に困っている場合は申請を検討するのもひとつの手です。

コロナで生活できない…と感じたら

困惑 家族

 収入が減少して、家賃や光熱費の支払いに頭を悩ませているという人も少なからずいると思います。そういった方向けの支援として、まず家賃面では住居確保給付金があります。こちらは離職か、廃業程度まで収入が減少した人を対象に最長3か月まで家賃が支給されます。

 支給額は単身世帯で5万3700円、2人世帯で6万4000円、3人世帯で6万9800円と家賃の全額もしくは大半を支給によって賄える額ではないでしょうか。

 光熱費の支払いは、支払期限を最大で2か月延長することが可能です。こちらは各電力会社、ガス会社が窓口となっており、電話やネットで申し込み可能です。

 原則として緊急小口資金の貸付を受けている人が対象ですが、経済産業省が柔軟な対応を要請しており、現状間口が広がっています。支払いに不安を抱えている人は一度相談してみた方がよいでしょう。

給付と補償の情報のチェックを

 このように補償も少しずつ充実してきています。お金のプロである株式会社Co-creating partnerの執行役員で税理士の水村耕史は、申請時のポイントについてこう語ります。

「持続化給付金に関しては、もらえる条件に前年同月比で売上50%以上減少とありますが、2019年に創業した方には“特例措置”が設けられています。前年同月の売上がなかったとしても、前年の月間売上の平均額を50%以上減少している月があれば最大で法人は200万円、個人事業者は100万円が給付を受けることが可能です。

 ただし、書類に不備があったり、計算ミスがあったりすると、給付までに時間がかかったりし、場合によっては不受理になることもあるので、受付期間(2020年12月まで)中は焦らずしっかりと要件を確認して申請しましょう」

協力金をめぐって詐欺的な商法も発生

詐欺

 また、水村さんによれば、東京都が打ち出した「感染拡大防止協力金」をめぐってこんなトラブルも報告されているそうです。

「この補償は、東京都内で休業要請に応じた中小企業および個人事業主に、休業協力金として50万円(2事業所以上で休業等に取り組む事業者は100万円)を支給する制度ですが、一部のコンサルティング会社などが『税理士のはんこがないと協力金がもらえない』と嘘をついて、高額なコンサルティングフィー(費用)を取っているようです。もちろん休業協力金の受給に税理士の捺印が必須ということはありません」

 5月7日に休業を余儀なくされている人を対象に「みなし失業手当」特例措置の検討、翌5月8日には中小事業者向けの家賃3分の2補助が自民・公明両党で合意されるなど、今後も補償は追加されていく見込みです。

 コロナの影響で厳しい生活が続く人も少なくないかと思いますが、必要な情報を適切にキャッチしてこの災厄を乗り越えていきましょう。

TEXT/菅谷圭祐>

【菅谷圭祐】

大学受験情報誌、IT情報サイトなどでライター経験を積み、2018年よりフリー。最近の趣味は休日の農業、リサイクル業も兼業

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