いっとき大ブームだった『人狼ゲーム』。どうやらコロナ禍にあって、ZOOMでの『人狼ゲーム』が流行っているのだとか。

 長野県松本市まつもと市民芸術館を拠点として活動しているTCアルプは2020年7月に、TCアルププロジェクト2020じゃりという公演を予定している。これは、『ユビュ王』の作者で、「自分はユビュ王だ」と自らがつくり出した世界に迷い込み、 混沌としたまま、その生涯を終えたアルフレッド・ジャリを描いた作品となる(演出は小川絵梨子)。TCアルプでは、その公演に先駆けて『人狼ゲーム』ならぬ、『ユビュ狼』をつくり上げた。

 『ユビュ王』は、ユビュおっ母にそそのかされ、軍の大尉と共にポーランド王を暗殺し、王位に就いたユビュ親父が主人公。ユビュ親父は、極悪非道の限りを尽くし戦争まで起こすが、やがて追放され……という物語。登場人物の役割なども『人狼ゲーム』に近く、民衆にまぎれた《ユビュ親父》を見つけ出し、追放すれば民衆側の勝利。逆に邪魔者を排除し、民衆の数を減らすことができればユビュ家側の勝ちとなる。

 当初は、劇場のスタジオを使用しての市民参加イベントとしての開催を検討していたものの、外出自粛が続く状況のため、インターネットアプリ「ZOOM」を使用して、自宅で気軽に参加できるゲーム大会として開催することになった。

 まだ、TCアルプを体験したことのない全国の皆さん、我こそはと『人狼ゲーム』の猛者を自認する皆さん、『ユビュ狼』に来たれ! 誰が腹黒い俳優を見抜いて!!  そして劇団を率いる串田和美芸術監督の参戦はあるのか?

ユビュ狼紹介動画

文=いまいこういち

ユビュ王(左)とユビュおっ母