詳細画像はこちら

時すでに遅し?

textJames Mills(ジェームズ・ミルズ)

誰もが信念を持っている米国では、「Save the stick」(マニュアルギアボックスを守れ!)と書かれたさまざまな衣服を購入することが出来るだけでなく、こうした主張を支持するひとびとのためのステッカーまで用意されている。

あるクルマのリアには、「盗難防止装置:このクルママニュアルトランスミッションです」と書かれていた。

詳細画像はこちら
アウディR8のアルミニウムシフトゲート

なかなか興味深い警告だが、ここにはある重要な真実が隠されている。

いま自動車業界では、ドライバーステアリング操作に集中出来るなどと言ってマニュアルギアボックスを無くす方向へとシフトしているが、トランスミッション選択肢が減っている本当の理由とは、コストと排ガス規制にあるのだ。

そして、特にスポーツカーがより強力なエンジンを積むようになっているいま、平均的なドライバーであればあっと言う間にクラッチトランスミッションをダメにしてしまうという現実もある。

だが、例えマニュアルギアボックスから得られるドライビングの楽しさを除いたとしても、実際にはオートマティックトランスミッションにすべてを任せるよりも、自ら操作を行うことでドライバーはより注意深くなれはずだ。

両手両足を使うことでスマートフォンなど忘れてクルマの操作により集中出来るとともに、もし素晴らしいギアボックスを積んだモデルであれば、アップシフトダウンシフト、そしてヒール&トウを完ぺきにこなすという、さらなるドライビングの楽しみを味わえるに違いない。

だが、確かにもう時すでに遅しだ。

EVがマニュアルギアボックスの息の根を止めることになるだろう。

だからこそ、シフト操作というシンプルな行為を楽しみたいのであれば、クルマとの繋がりを楽しませてくれるモデルを大切にすべきなのだ。

今回はそんな価値ある10台をご紹介しよう。

ケータハム・セブン

1993年に導入された6速マニュアルギアボックスがセブンにもたらしたものの大きさは計り知れない。

クロスレシオのこのユニットは軽量なロードスターにさらなる活気を与え、高回転型のローバー製Kシリーズエンジンの実力を存分に発揮させるとともに、各段の繋がりも申し分なかった。

詳細画像はこちら
ケータハムセブン

このトランスミッションは当時もいまももっとも短いシフトストロークを誇り、30年近く経過した現在でも最高のマニュアルギアボックスのひとつであることに変わりはない。

ポルシェ911 GT3 RS 4.0

997型911 GT3 RSの最終モデルは、レーシングマシン911 RSRと共通のエンジンブロックを与えられ、その自然吸気4.0Lユニットは497ps以上のパワーを発揮していた。

スタンダードなRSを上回るパワーと幅広いトルクバンドによって、その高いギアレシオも問題にしないばかりか、依然としてシフトフィール素晴らしいままだった。

詳細画像はこちら
ポルシェ911 GT3 RS

だが、生産台数わずか600台という希少性によって、このクルマの価格はそのエンジン回転よりも速いペースで高騰している。

新車当時13万ポンドだったその価格は、いまや40万ポンド(5240万円)にも達しているのだ。

ホンダS2000

最高9000rpmを許容する2.0Lエンジンが最大トルクを発揮する7500rpmという回転数は、同時代のほとんどのライバルモデルのレブリミットをも上回るものだったが、ホンダS2000の神髄はそのマニュアルギアボックスにあった。

この6速マニュアルトランスミッションはまさに宝石のような存在であり、古今東西で最高のギアボックスのひとつだ。

詳細画像はこちら
ホンダS2000

プジョー306 GTi-6

306 GTi-6はこのクルマに見合った評価をこれまで一度も得てこなかったようだ。

1996年当時、このクルマホットハッチとして初めて6速マニュアルギアボックスを搭載し、約170psというほとんどのライバルよりも強力なエンジンを与えられていた。

詳細画像はこちら
プジョー306 GTi-6

クロスしたこのマニュアルギアボックスは高回転を好む2.0L 16バルブエンジンパフォーマンスを存分に発揮させ、ステアリングフィールとシャシーの落ち着きは、現代のホットハッチの多くが学ぶべきレベルに達していた。

それでも、十分なメンテナンス受けて来た個体を見つけ出すべきであり、さもなければ単なる金食い虫になるだろう。

マツダMX-5(日本名:ロードスター)

最新の4代目もこのクルマに近い素晴らしい出来映えを見せるが、つねにオリジナルの存在として、マニュアルギアボックスに関しては初代NAこそが最高のMX-5だ。

その理由は、1990年当時のロードスターたちのコメントを見ればご理解頂けるだろう。

詳細画像はこちら
マツダMX-5(日本名:ロードスター

MX-5の真の切り札とはこのクルマのギアボックスにある。トランスミッショントンネルからわずかに上方に突き出した素晴らしい重みを感じさせるシフトレバーは、ミリ単位の正確さで短いストロークでの操作を可能にしている。」

「このクルマ全体がシフト操作同様の正確なドライビングを試す気にさせる。軽く素早い操作が可能なクラッチと高い精度を誇るシフトレバーに組み合わせられるのは、瞬時のレスポンスを返すエンジンであり、ドライバーは滅多に感じられない程の満足を得ることが出来るだろう」

ホンダ・シビック・タイプR

今回ご紹介する10台のなかに2台のホンダ車が含まれているという事実が、この日本メーカーマニュアルギアボックス作りの伝統を示している。

現行シビックタイプRのシフトフィールは現役ホットハッチとしてはベストであり、これだけでデュアルクラッチトランスミッションを搭載したライバルを選ばない理由になり得るだろう。

詳細画像はこちら
ホンダシビックタイプR

アウディR8

ミッドエンジンレイアウトアルミニウム製モノコックとクワトロ四輪駆動システムを、フランク・ランバーティとジュリアン・ホーニグがデザインした低く構えたボディに包み込んだR8は、よりエッジの効いたデザインを与えられた後継モデルよりもはるか素晴らしい歳の取り方をしている。

この初代R8のドライビングフィールは、例えクワトロGmbHが手掛けたにしても他のアウディモデルとは異なるものであり、まるでポルシェのGT部門が創り出したかのようなダイレクトさを感じることが出来た。

詳細画像はこちら
アウディR8

アウディスポーツカー部門で以前テクニカルディレクターを務めていたシュテファン・ライルの最高傑作だ。

V8とV10モデルの双方で6速マニュアルギアボックスが用意されており、両者ともマニュアルギアボックスの素晴らしさを示す、まるでフェラーリのようなアルミニウムシフトゲートを備えていた。

フェラーリF430

このクルママニュアルギアボックスを積んだフェラーリ最後の公道モデルというわけではないが、初めてこのイタリアスポーツカーを手に入れたいと考えている向きにとっては、もっとも新しく、もっとも手に入れやすい1台となっている。

レザー張りのトランスミッショントンネルに誇らしげに設置されたアルミニウムゲートと、アルミニウム製ノブを持つシフトレバーの組合せは、長年に渡るフェラーリの伝統を感じさせる。

詳細画像はこちら
フェラーリF430

フォード・プーマ

手ごろなスモールカーに乗り込んで公道へと繰り出し、最初の数kmで満面の笑みを浮かべる以上に満足感を得られることなどあるだろうか?

1997年にプーマが登場した当時、まさにこうした最高の喜びを感じさせてくれるメーカーフォードだった。

詳細画像はこちら
フォード・プーマ

当時、エンジニアリング開発の責任者を務めていたリチャード・パリー=ジョーンズに率いられた彼らのモデルは過剰なまでの作り込みが行われており、ドライビングフィールを引き上げるべくコンポーネントにも十分なコストが掛けられていた。

そうした1台がこのクルマであり、小さく機敏で思いのままに操ることが出来た。

なかでも、活気溢れるヤマハ製1.7Lエンジンを積んで、ショートストロークのアルミニウムシフトノブを備えたモデルベストな存在だ。

ランドローバー・ディフェンダー

ともかく、このクルママニュアルギアボックスはシフト操作を受け付けてはくれるものの、その中味を見てみれば驚愕させられることになるだろう。

今回ご紹介する他のスポーティなモデルとは異なり、ディフェンダーでは慎重なシフト操作が求められるのであり、無事に動いていることに感謝するとともに、荒野のど真ん中でオイル漏れなど起こさないよう祈るしかない。

詳細画像はこちら
ランドローバー・ディフェンダー

アウディの記事
【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選
【420psのアウトバーン級を楽しむ】アウディRS4(B7) 英国版中古車ガイド
【注意散漫の原因となるか】タッチスクリーンは本当に良い? 安全性を懸念する声も
アウディRS4アバント(欧州仕様)

ケータハムの記事
【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選
【レトロでラグジュアリーな新型車】ケータハムからスーパーセブン1600が登場 英国価格およそ452万円から
【外出自粛】英ケータハム・カーズ 「セブン」の塗り絵素材を公開 新型コロナウイルス
【袖ヶ浦 復活】クラシックカーが走る! 第27回 東京ベイサイド・クラシック・カップ

フェラーリの記事
【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選
【なぜ】フェラーリ/ランボルギーニ 4月の新車登録、日本で絶好調 その理由は?
【なぜ?】フェラーリF355、人気急上昇 相場は800万円以上に 右肩上がりの魅力を探る
【フェラーリ】伊ミュージアムの一般公開を再開 医療従事者は、入場無料に

フォードの記事
【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選
【どこでも簡単に更新】フォード・マスタング・マッハEとは 無線アップデートで新機能を提供
【1位は日本車】2019年に世界で最も売れたクルマ20選 半数以上を日本車が占める
トヨタ・ヤリス/日産マイクラ/ヒュンダイi20/ヴォクゾール・コルサ/セアト・イビーザ/プジョー208/ルノー・クリオ/フォード・フィエスタ/フォルクスワーゲン・ポロ

プジョーの記事
【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選
トヨタ・ヤリス/日産マイクラ/ヒュンダイi20/ヴォクゾール・コルサ/セアト・イビーザ/プジョー208/ルノー・クリオ/フォード・フィエスタ/フォルクスワーゲン・ポロ
トヨタ・ヤリス/日産マイクラ/ヒュンダイi20/ヴォクゾール・コルサ/セアト・イビーザ/プジョー208/ルノー・クリオ/フォード・フィエスタ/フォルクスワーゲン・ポロ
トヨタ・ヤリス/日産マイクラ/ヒュンダイi20/ヴォクゾール・コルサ/セアト・イビーザ/プジョー208/ルノー・クリオ/フォード・フィエスタ/フォルクスワーゲン・ポロ

ポルシェの記事
【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選
【自然吸気フラット6】サウンドが聞こえた! 動画 ポルシェ911 GT3 ニュルで走行テスト
【甘美なハンドリングマシンをお手頃に】ポルシェ968 英国版中古車ガイド
【ポルシェ責任者に聞く】タルガ/カブリオレ両方を提供する意味 タルガ、911のストーリーの一部

ホンダの記事
【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選
【1位は日本車】2019年に世界で最も売れたクルマ20選 半数以上を日本車が占める
【生き残るのはどのメーカー?】決算発表 トヨタ/ホンダ/マツダに「差」 コロナ後どう見据える
【タフトで盛り返すか?】軽自動車の販売 4月は、大震災以来の10万台割れ 新型コロナウイルス

マツダの記事
【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選
【1.5Lエンジン追加】マツダ3セダン「15S」「15Sツーリング」登場 100周年記念車も
【新型コロナウイルス】マツダ 6月も生産調整を継続 計画台数は5月の2倍以上へ
【生き残るのはどのメーカー?】決算発表 トヨタ/ホンダ/マツダに「差」 コロナ後どう見据える

ランドローバーの記事
【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選
【幹部インタビュー】ジャガー・ランドローバー パンデミックへの適応 新しいビジネスの形
【いずれも550ps以上】ジャガー・ランドローバーの「SVO」 販売が64%アップに
ランドローバー・ディフェンダー110 D240 S

【もはや絶滅危惧種】いまこそおすすめ 偉大なマニュアル車 10選