タスマニアタイガーが描かれたパイプ

タスマニアタイガーが描かれたパイプが発見される image by:

 オーストラリア、タスマニア島で絶滅したとされる、タスマニアタイガーフクロオオカミ)が描かれた粘土製のパイプがボトルコクターにより発見された。少なくとも190~200年ほど前のものとみられている。

 白粘土を素焼きした状態の良いこのパイプは、タスマニア考古学を興奮させた。彼らにとっては"聖杯"のようなものなのだという。『ABC News』などが伝えている。

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興奮を隠しきれないタスマニア考古学者たち

 Southern Archaeologyの首席考古学者ダレン・ワットンは、非常にエキサイティングな発見だと言う。「この興奮を隠せません。これは、タスマニア考古学における聖杯のようなものだからです」

 粘土製のパイプは、紙巻きタバコが登場する以前に使われていたもの。使い捨てなので、型から大量に作られた。

 たいていは、イギリスやその他のヨーロッパ諸国で作られ、植民地へ輸出していた。だが、発見されたこのパイプは川の泥でできていて、現地で手作りされたものだった。

あまり見られない特性があります。タスマニア現地の人がおそらくは自分たちが使うために作ったものでしょう。ひょっとしたら、囚人が作ったものかもしれません

 このパイプは、タスマニアローンセストン近くのビンの捨て場で見つかった。捨てられていたビンは1830年頃のものなので、パイプも少なくとも190年前のものと思われる。

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壊れやすいため、状態のいいクレイパイプが見つかることはめったいにない。これまでは現地でパイプが作られたという記録はなかった
image credit: Darren Watton

発見したボトルコレクターがオークションに出品し考古学界がどよめく


 発見者は、アマチュアのボトルコクターで、2016年ローンセストン近くの私有地の穴の底で、ふたつの大きなビンの間にはさまれていたこのパイプを見つけたと語った。自分の収集品外の品なので、オークションに出品することに決めたという。

 オークションで手に入れたのは、国際フクロオオカミデータベーススティーブン・スレイソルム氏である。その後、どこで、誰がこのパイプを作ったのか、といったことがさかんに議論され、考古学界や学術界が大騒ぎになった。

パイプの火皿に、特徴的な縞模様がはっきりわかるタスマニアタイガーの姿が描かれています。19世紀にヨーロッパで型で大量に作られたのものの絵柄とは、かなり違うようで、素朴な絵柄は、現地オリジナルのように思えます。

タスマニアタイガーの絵柄が描かれたもののごく初期の作品のひとつといっていいでしょう

パイプに描かれたワライカワセミの謎

 さらに謎が深まるのは、このパイプの柄の部分に大型の鳥「ワライカワセミ」の絵柄が描かれていたことだ。実はこの鳥、1902年までタスマニアでは見つかっていない。

パイプの柄のカワセミ

image by:

 仮説を立てるとすれば、このパイプを製作者は、オーストラリア本土で過ごしたことがあり、それからタスマニアに渡ったというもの、描かれている鳥はワライカワセミではなく、タスマニア島固有のカワセミではないか、などだ。

 この発見は『archaeology journal』で発表される予定だという。

References:mysteriousuniverse/ written by konohazuku / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52291095.html
 

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