中国メディア・東方網は22日、日本で新型コロナウイルスの感染拡大によって自宅にいる時間が長くなる中で、家庭菜園を作って親子で作物を育てる家庭が増えていると報じた。
 
 記事は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛が続いた日本で、特に子育て世代を中心として「家庭菜園」が人気になっていることを紹介。子どもたちが親と一緒にナスやキュウリ、トマトなど夏野菜の苗を購入し育てるケースが増えていると伝えた。

 そのうえで「自然に触れ、農耕栽培を実践するというのはとてもシンプルな娯楽に思えるが、土地資源に限りある日本にとっては、とても深い意味を持っているのだ」とし、古くより日本人が続けてきた農耕に対する崇拝が、現代の都市化された場所や雰囲気の中でも脈々と受け継がれているのであると説明した。

 そして、神道が信奉されている日本では太古の昔より神様が人びとの農業を守っているとの考えが存在し、収穫の際には恭しく神に感謝を捧げる儀式が行われてきたとも紹介。家庭菜園という小さな空間であっても、日本人が農耕を大切にしてきた足跡をうかがい知ることができると伝えている。

 また、現代においては作物の栽培が日本の特色ある教育の1つである「食育」の要素も持っていると指摘。「種まきから発芽、生長、結実までの一連の過程を体験することで、生命の尊さを一層感じることができるとともに、育てる手間や苦労を知ること、作物に対する愛着を感じさせることにより、子どもたちに食べ物を粗末にしたり、偏食したりしない心がけを持たせることができる」とした。

 記事は、中国の都市部にある一部の幼稚園や小学校でも、日本の「食育」を取り入れる試みが始まっており、子どもたちが自分で作物を育てていると紹介。「これは単なる労働の授業ではなく、より自然に親しむとともに、良い習慣や正しい価値観を形成する過程にもなるのだ」と伝えた。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

新型コロナ禍のなか、日本で家庭菜園がブームになるのはなぜ?=中国メディア