日本人が美しいと感じる田舎の風景が今でも残されている場所は、日本人だけでなく中国人にも訴えるものがあるようだ。中国メディアの騰訊はこのほど、「日本には中国人の固定概念を覆す農村がある」と論じる記事を掲載し、その美しい景色ともに「歴史ある景観を保存するために払われている努力」を紹介する記事を掲載した。

 記事が紹介したのは、世界遺産に登録されている岐阜県大野郡白川村にある白川郷の合掌づくり集落だ。奥深い山に囲まれた場所に忽然と現れる白川郷は「現代社会と全くかけ離れた存在」と伝えている。

 続けて、白川郷では江戸時代の人々の暮らした風景が現在まで保存されているとし、これだけでも十分に素晴らしいが、白川郷は単なる観光地ではないと強調し、それは「今も集落には実際に生活している人がいるから」だと指摘。住居として使用されている合掌造りの建物が存在するのは驚くべきことだとした。

 茅葺建築は耐久性と機能性に優れた建造物であるが、専門の技術を持つ職人でなければ修繕できず、屋根部分は定期的な葺き直しが必要になると紹介したほか、最大の弱点となる火災にも備えなければならないなど、合掌づくり集落の維持や管理のためには莫大な費用や労力がかかると紹介。こうした努力の結果として、白川郷には毎年大勢の観光客が訪れるようになったが、それでもこの場所が商業化せず昔からの美しい姿を保てているのは、「村の人々が自然と調和した静かな生活から恩恵を得て、伝統文化に尊敬の念を抱いて保存し、伝承しているからだ」と分析した。

 中国にも世界遺産に登録された場所がたくさんあるが、ひとたび観光化して人が押し寄せると途端に商業化が進み、それまで伝承されてきた伝統的な文化は一気に失われたり、伝承してきた人々の生活が成り立たなくなったりすることは多々あるようで、中国にとって白川郷は素晴らしいモデルケースとなると伝えた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本に存在する「中国人の固定概念を覆す農村」・・・中国の素晴らしいモデルケースに=中国