広大な国土を持つ中国国内を移動するには飛行機や鉄道が速くて便利だ。近年では、多くの主要都市が比較的安価で利用できる高速鉄道で結ばれたことで移動の利便性は飛躍的に高まったものの、中国人利用者の間で不満の声が根強いのが車内販売の弁当だ。

 中国メディアの百家号は20日、高速鉄道をはじめとする中国の鉄道の車内で販売されている弁当は、日本の駅弁と違って「あまり売れ行きは良くない」のが現状だと強調し、「日本の駅弁との差が非常に大きい理由」を考察する記事を掲載した。

 記事は、「中国は目覚しい経済発展を遂げ、人々の移動手段も多様化した」と紹介、高速鉄道の普及とともに従来の鉄道は徐々に衰退していると指摘する一方、今でも現役で運行されている鈍行列車や寝台列車もあって、長時間乗車することが多い鉄道の場合は弁当などの車内販売が行われていると論じた。

 だが、乗客の多くは車内で販売されている弁当ではなく、「インスタントラーメンで食事を済ます人が多い」と強調。確かに中国の鉄道車内では「インスタントラーメンの匂い」が充満しているのは決して珍しいことではない。

 続けて、せっかく車内で弁当が販売されているのに、乗客が弁当をほとんど買わないのは単に「価格が高すぎるから」、また「不味いから」ではなく、「弁当の内容が価格に見合っていない」からだと強調。価格が高くても、それに見合うだけの「量と美味しさ」だったり、不味くても「それ相応の安さ」だったりすれば問題ないと指摘する一方で、中国の鉄道車内で販売されている弁当は「高いくせに不味い」から誰も買わないのだと指摘した。

 中国人は買い物をするにあたって「性価比」を重視する人が多い。「性価比」とは日本語で言うところの「コストパフォーマンス」であり、中国では「価格と価値が釣り合っておらず、割高な商品」は敬遠される傾向が強く、鉄道の車内販売の弁当は「性価比」が悪すぎるということなのだろう。

 一方で記事は、日本で販売されている「駅弁」は、価格は中国で販売されているものと同程度であるにもかかわらず、見た目が非常に良く、味も最高であるため「性価比」は極めて高いことを強調、日本と中国では鉄道弁当の「性価比」の差は非常に大きいと主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国の鉄道で売られる弁当と、日本の駅弁との間に存在する「巨大な差」とは=中国