コロナ禍の影響を受けているのは人間だけではない。人間と関わりあって生きている動物もそうだ。活動制限でにより姿を消してしまうのだから、いつもと様子が違うことは感じているだろう。
オーストラリアのクイーンズランドにある湾に生息しているシナウスイロイルカの1頭は、餌付けプログラム施設が閉鎖になり、会いに来てくれる観光客が減ったことに気が付いた。
これまで、観光客から餌をもらえていたのだが、その回数がめっきり減ってしまった。そこで、施設ボランティアから餌を貰うために、イルカなりのプレゼントを渡す習慣を身に着けたという。『Lad Bible』などが伝えている。
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餌が欲しいイルカ、プレゼント交換を思いつく
クイーンズランド州クールーラ・コーストのティン・キャン・ベイにあるバーナクルズ・カフェは、観光客を対象にしたイルカの餌付けプログラムを実施するバーナクルズ・ドルフィン・センターと併設している。
しかし、コロナ禍により規制が敷かれ一時休業となってしまった。
この湾に生息しているシナウスイロイルカの7頭は、センターの餌付けプログラムに参加し、観光客から餌を貰っていたが、休業中はそれが叶わなくなった。そこでイルカは知恵を絞って、人間から餌を貰う方法を考えたようだ。
1991年以来湾に住みついているという「ミスティーク」と名付けられたオスのシナウスイロイルカは、センターのボランティアスタッフのもとに、海から拾ってきたプレゼントを持ち運ぶようになった。
餌付けボランティアスタッフのリン・マックファーソンさんは、ミスティークの行為についてこのように話している。
以前にも、「人間に何かを与える行動」を示すことはありました。でも、ロックダウン中は、頻繁にその行為が見られるようになりました。餌付けプログラムが休止となって、餌を貰える方法を考えたのでしょう。
ギフトをあげるとお返しをしてくれる人間の行為を学んだミスティーク
リンさんによると、ミスティークは海から海綿やサンゴの欠片、貝殻、木片、空き瓶などを器用に口の上に乗せて泳いでくるという。
時には、1度に10のギフトを1個ずつ持ってきて、並べてくれるそうだ。
私たちがイルカを訓練したわけではありません。人間がお返しをしなければならなくなるように、イルカが私たちを訓練したと言えるでしょう。時に、口の上のギフトを途中で海の中に落としてしまうこともありますが、「もう少し近くまで運んで」と言うと、拾いあげて持ってきてくれることもあります。
餌となる魚が欲しいから、ミスティークは私たちに渡すギフトのコレクションを、きっとたっぷり持っているのでしょう。(リンさん)
時々、仲間のイルカも一緒にやって来ることがあるようだ。リンさんいわく、口の上にギフトを乗せてやって来るのはミスティークだけだが、一緒にやって来た仲間にもお礼に魚をあげているという。
ロックダウン規制が緩和で餌付けプログラム再開
オーストラリアでは、最近になって新型コロナウイルスによるロックダウン規制が緩和され、バーナクルズ・ドルフィン・センターも5月16日から営業を再開した。
餌付けプログラムは人気のアクティビティで、特に学校が休み期間になると、毎日最大200人の観光客がセンターを訪れるそうだ。
普段から人間との関りを楽しんでいる人懐っこいイルカたちにとっては、再び多くの観光客が戻ってくることを何より楽しみにしていることだろう。
Facebookアカウント『Barnacles Cafe Dolphin Feeding』では、「イルカたちも寂しがっているし、みんなが笑顔になれるここにどうぞ遊びに来てください!」と、ミスティークの写真をシェアして観光客を呼びかけている。
written by Scarlet / edited by parumo
全文をカラパイアで読む:http://karapaia.com/archives/52291132.html
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