新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によってフットボール界では多くの変更を余儀なくされているが、アメリカのテレビ局ブンデスリーガの中継で新たな試みをスタートしている。イギリスSPORT bible』が伝えている。

コロナ禍によって世界各国でフットボール活動の一時中断が続いている中、ブンデスリーガでは5月16日からヨーロッパ主要リーグの先陣を切って再開している。

そのため、世界中のフットボールファンはテレビやパソコンなどのデバイスを通して、ブンデスリーガを楽しんでいる。

ただ、コロナウイルス感染予防対策によって無観客という特殊な環境での開催ということもあり、空っぽのスタジアムという視覚上の違和感、レフェリーの笛やボールを蹴る音、プレーヤーの声しか聞こえない聴覚の違和感を覚える視聴者も少なくない。

そういった状況の中でアメリカのテレビ局は、24日に行われたマインツとRBライプツィヒの試合で、視聴者の違和感を少しでも軽減するため、クラウドノイズ(観客の声)を採用した。

中継局のサウンドエンジニアは、試合展開に合わせてあらかじめ収録してあるクラウドノイズを流すことで、やや無機質に見える中継映像に臨場感を出そうと腐心していた。

また、ボルシアMGレバークーゼンの試合では、視覚的に寂しいスタンドをよりよく見せるための試みも行われた。

ホームのボルシアMGのファンが1人19ユーロ(約2200円)で段ボールを購入し、自身の写真が貼られた段ボールをスタンドに飾り、およそ1万3000人の“ドッペルゲンガー”サポーターがスタジアムを埋めていた。

コロナウイルス終息まで特殊な環境でのフットボール観戦が続くが、そういった状況だからこそ創意工夫によって新たな楽しみ方を見いだしたいところだ。

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