Image: Twitter|実物も映像もほぼ同じとはいえ…

コロナ禍で判決主文をZoomで読み上げる国が静かに増えています。

世界初のZoom死刑宣告は今月4日、ナイジェリアのラゴス州で行なわれました。州命令に従って出席者全員が別々の場所から見守るなか、母親の雇用主殺害の罪に問われたOlalekan Hameed被告(最厳重警備の刑務所から参加)にMojisola Dada裁判長が言い渡した判決は「絞首刑」。上の写真はそのときの模様です。

裁判長に“かつら”はイギリスの文化みたい

バッハのようなかつらを被っているのを見て、「ああ、そういえばイギリス領か…」となりました。香港もいまだに似合わないかつらを被ってますし(同じアジアの同胞として「似合わないよ」と言ってやるのが優しさなのかも…)、ジンバブエは英国直輸入のかつらに公費1700万円も拠出してるんだそうですよ? 植民地時代に不平等裁判の辛酸を舐めたはずなのに、大英帝国の御威光をありがたがる心理は外部の我々には窺い知れないものがあります。英国でも貴族院より下位裁判所ほどかつらへの執着がある聞きますから、権威の象徴なんでしょね…。

もともとかつらには「判決を逆恨みした被告に襲われないようにするための変装具」の役割もあったようですが、Zoomのちっちゃな画面だと、どっちみち目も合わないし、人相もほぼわかりません。同席のみなさんもこんな感じです(左上のKingさんは王様ではなく苗字。被告代理人っぽい)。

ミュートの人、画面が真っ暗な人、縦撮影で画面半分が真っ暗な人、逆光で顔が黒つぶれの人、カメラの位置がずれていて顔が半分しか映っていない人…。顔が映っていると思えば微妙にかつらがずれていたりして、いやあ、こんなZoom死刑宣告は嫌だ…。

シンガポールでもZoom死刑宣告

リアルBlack Mirrorだなあ…と思っていたら、頭の整理もつかないうちに今度はアジアシンガポールから20日Zoom死刑宣告のニュースが入ってきました。こちらも、Punithan Genasan被告は刑務所に収監されたままで、代理人と検事、裁判官が別々の場所から参加して公判が行なわれました。

罪状は2011年10月、運び屋2人を誘ってヘロイン28.5gの密輸を指示したというもの。シンガポールで死刑に処される犯罪には反政府ゲリラや殺人、誘拐、強盗、銃器所持など幅広くありますが、本件のような麻薬密輸が死刑の大半を占めます。麻薬密売で死刑というのも驚きですが、もっと驚きなのは28.5gという分量です。米国は100g以上で最低5年の刑なのでみなビックリしています。産地に囲まれているのでこれくらい厳しくしないと、ということなのか…。シンガポールでは借りた車からヘロインが見つかった人も死刑になっています。そのときは22.24gでした。

死刑判決は被告と遺族・証言者が向き合える最後の瞬間なので、Zoomはちょっと、と思ってしまいますけどね…。

アメリカではZoomで罪状認否

パンデミックZoom裁判は今や世界中に広まっています。米国でも先ほど女優ロリ・ロックリンが愛娘の裏口入学の罪状をZoom公判で認めた、というニュースが舞い込んできました。

悪徳入試コンサルに大金巻き上げられた揚げ句に罪に問われて気の毒なところもありますが、あれだけ世間を騒がせたセレブ大量不正入学事件です。出廷するとフラッシュの嵐は必至。Zoomで助かった反面、「Zoomでやったの!?」ということで、これまた大きなニュースになってしまいました。慣れるまでしばらく続きそうですね…。

Source: INDEPENDENTTwitterReuters12)、exciteニュース英国法廷衣装こぼれ話(1993)AMNESTY