急速な経済成長を遂げた中国では、日本について「もはや衰退した」という論調が主流となってきている。しかし、中国メディアの百家号は16日、「中国が科学技術で学ぶべきなのは、米国ではなく日本だ」とする記事を掲載した。日本が衰退したというのは大きな誤りだと指摘している。

 記事はまず、日本衰退論を「過去50年間で世界最大のうそ」だと指摘。2015年にトムソン・ロイターが選出した「世界で最も革新的な企業・研究機関100社」に、日本からは米国を抜く40社がランクインして首位になったほどだと伝えた。

 では、中国が学ぶべきなのは日本のどんなところなのだろうか。記事は、日本の「誰も想像できないようなすごいところ」として5つの分野を紹介している。まず1つ目は、「将来性のあるロボット分野」だ。記事は、中国人はロボットと聞くと最初に欧米を思い浮かべるとしながらも、実はそうではなく、日本は目立たないだけで非常に強いと指摘した。

 2つ目の分野は、「鉄鋼」だ。鉄鋼分野で日本はアジアのみならず世界で最も強いと紹介。中国が次々と建設している高層ビルも、使われている鉄骨には日本語の文字が見えると紹介している。3つ目は「半導体」分野だ。半導体といえば韓国企業が有名だが、半導体の設備は日本製ばかりなので、半導体分野を実質的にコントロールしているのは日本ということになると論じた。これは半導体材料でも同じことが言えるだろう。

 そして、4つ目は「通信キャリア」で、日本にはNTTという世界最大規模の通信キャリアがあると紹介した。NTTは、世界有力企業ランキングなどで何度も選ばれていると指摘している。最後に記事は、5つ目として「人材育成」を指摘している。QRコードを発明したのが日本人であることや、ノーベル賞受賞者の数などから、日本の教育が今の日本の科学技術の元になっていると称賛している。

 日本は、表面上は「衰退」したかに見えるのだろうが、実際には見えないところで実力を蓄えていると言えるだろう。この隠れた強さを維持していきたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日本が衰退した? それは嘘だ「中国が学ぶべきは米国ではなく日本だ」=中国